川崎市麻生区で2021年、自宅で介護していた長男(当時37歳)を監禁し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死と逮捕監禁の罪に問われた無職、横山直樹被告(71)に対する裁判員裁判の論告求刑が20日、横浜地裁(足立勉裁判長)であり、検察側は懲役6年を求刑した。弁護側は保護責任者遺棄致死罪は無罪だと主張し、逮捕監禁罪のみでの執行猶予付き判決を求めた。判決は28日の予定。
起訴状などによると、横山被告は21年5月ごろから、精神疾患を患っていた長男の両手足を手錠などで固定して拘束。自ら食事もとれないほど衰弱させた。8月ごろには脳出血を起こして寝たきりになったが、医療機関を受診させることなく、9月6日に死亡させたとしている。
検察側は論告で、被告は長男の体調の異変に気づくことができたと指摘し、「救急車を呼ぶなどすることで、監禁の事実が発覚するのを恐れていた。また世間体を優先して長男の存在を隠そうとし、衰弱が進む中でも、その場しのぎの対応に終始した」と主張した。
一方、弁護側は「脳出血は高血圧などの内部的要因が理由と推定され、気付くのは困難であり、寝たきりだとも思っていなかった」と反論。死亡時の栄養状態も悪くなかったとし、「食事など身の回りの世話は懸命にしていた」とした。
被告は最終意見陳述で、「長男に申し訳ない。もっと細かく面倒をみていたらと反省している」と話した。【園部仁史】