大阪市が放置自転車4万台を“不適切に撤去”で謝罪 7日間を経過せずに実施『故意に撤去』の可能性も 職員「早く撤去してという市民の要望に応えるため」

大阪市で積年の課題となっている放置自転車。MBSでは20年以上前からその実態を取材。JR寺田町駅では、近くに駐輪場があるものの、自転車が歩道を埋め尽くし、ガードレールを超えて車道にまではみ出していました。
当時の映像では、自転車整理のボランティアの男性が、駐輪する人に注意を呼びかける様子も。
【2003年のJR寺田町駅】
(ボランティアの男性)「二重に止めたらアカンで」
(ボランティアの男性)「2列になってもうた。中に入れてちょうだい」
(自転車の人)「元から二重やん」
(ボランティアの男性)「それアカンねん。だから整理してる」
(ボランティアの男性)「急ぐ気持ちはわかるけど中にとめて」
(自転車の人)「おじさんお願い、これ(自転車)どっか置いといてよ。電車間に合わなくなる」
(ボランティアの男性)「どういうことですか?」
4年前、撤去作業員を取材した際には…
(撤去作業員)「(Q撤去自転車は多いときでどれぐらい?)22、23台はある。(Qトラックがいっぱいになる?)はい」
そんな放置自転車の撤去にはルールが定められています。大阪市では、即時撤去されるエリアと、警告の札をしてから7日以上の放置で撤去されるエリアを設け、放置自転車の対策を行っています。
『7日ルール』のエリアをめぐり、2月25日、大阪市は市内で放置された自転車を条例で定められた7日間を経過せずに撤去していたとする報告書を公開し、謝罪しました。
不適切に撤去された自転車は14年間で約4万台。このうち3万台は『日数のカウントミス』で、残る1万台は職員らが7日経過していないことを知りながら故意に撤去していた可能性があるということです。
(大阪市の会見)「市民の財産権を侵害した事実は重く受け止め、大阪市建設局としては、二度とこのようなことがおこらないよう(放置自転車対策業務)マニュアルの大幅見直しを終え、業務を進めています」
不適切な撤去方法を主導した職員は市の調査に対し「早く撤去してほしいという市民の要望に応えるためだった」などと説明しているということです。
市は今後、関わった職員らの処分を検討するとともに、2010年~2024年に自転車を不適切に撤去されたと心当たりがある市民には、撤去場所や日時などを確認したうえで2000円の賠償を行う方針です。