岩手・大船渡の山林火災、焼失面積1400haに拡大…新たに333人に避難指示

岩手県大船渡市で発生した山林火災は4日目の1日、新たに141世帯333人に避難指示が出され、対象は市の人口の1割超にあたる1896世帯4596人となった。焼失面積も200ヘクタール増えて約1400ヘクタールに拡大。平成以降で最大の山林火災となっている。避難所では、多くの住民らが不安な一夜を明かした。
火災は同市赤崎町で発生し、80棟超の住宅などに被害が出たとみられるが、詳しい状況は調査できていない。避難指示が出ている同市三陸町綾里小路(りょうりこじ)では1人の焼死体が見つかっている。
1日は前日より1機多いヘリコプター17機態勢で消火活動にあたり、自衛隊の大型ヘリや岩手、宮城、福島各県の防災ヘリなどが散水を行っている。岩手県沿岸南部には乾燥注意報と強風注意報が出ている。
市の発表では、1日午前7時時点で公民館や小学校などの避難所に1033人が避難している。
113人が身を寄せている同市猪川(いかわ)町の猪川小体育館では、1階に設置された約45張りの簡易テントが2月28日の開設から約4時間でほぼ埋まった。市は急きょ2階通路にも3張り追加し、新たな避難者を受け入れた。
同市赤崎町後(のち)ノ入(いり)、パート従業員の男性(31)は28日夜に避難所へ向かったが、「高齢者に使わせてあげたい」と車中泊を選んだ。「もしかしたら、この避難所も避難指示の対象になるかもしれないと気が気でない」と不安がった。