世論の猛批判を浴びた高額療養費制度の改悪が凍結され、野党第1党の立憲民主党がようやく存在感を示した。夏の参院選が迫る中、党内では消費減税を求める2つ目の勉強会が立ち上がり、消極派の野田代表を中心とする執行部への圧力を強めている。庶民は事実上、3年近く手取り減を強いられていて、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、共産党も消費減税を訴える。野党連携の柱になり得るのに、ドジョウは頬かむりを続けるつもりなのか。
12日、設立総会を開くのは立憲の衆院議員12人、参院議員3人が発起人に名を連ねる「不公平な税制の抜本的改革で日本の未来をつくる財源を捻出する会」(仮)。末松義規衆院議員が会長、牧義夫衆院議員が幹事長に就く見通しだ。プレスリリースでは、第2次安倍政権以降の自民党の常套句「経済成長なくして財政再建なし」を批判。消費税がGDPの半数超を占める個人消費を冷え込ませていることから、こう訴える。
〈消費税を増税しながら、所得税の最高税率の引き下げや法人税の減税を行ってきた結果、直間比率の見直しが行き過ぎ、あまりにも不公平な税制が「超格差社会」をつくる大きな要因となっています。物価高の今こそ、消費税を減税すべきです〉
その通りだ。すでに江田憲司衆院議員が会長を務める「食料品の消費税ゼロ%を実現する会」が昨年末に発足し、70人ほどの勢力で先行。いずれも来月までに野田代表に提言するとしている。
「立憲民主党の創設以降、代表に税制改革や消費減税を求める動きは2019年、23年に続き3度目です。われわれの狙いは、歪んだ直間比率の見直しと財源捻出をセットで示すこと。昨秋の総選挙で50議席を上積みしたものの、比例得票は横ばいでした。世論に応えるためには、参院選の公約に消費減税を盛り込む必要がある。ですが、執行部は『ザイム真理教』に侵されているのか馬耳東風。党内議論を深めるために、一人でも多くの賛同を得たい」(会の関係者)
確かに、立憲執行部は財務省の操り人形ばかりだ。首相と財務相をやった野田代表は「基本税率を下げると税収が落ちる」という理屈で、消費減税を徹底拒否。大串博志代表代行は財務政務官だったし、安住淳衆院予算委員長も大臣経験者。「消費税25%」が持論の小川淳也幹事長に至っては、先月のネット番組で「私にも娘が2人いて、本当に残してやりたいのはカネじゃない。将来に向けて安心して暮らせるとか、希望を持てるとか、そういう社会を残してやりたい」「そうじゃないと、これから先の日本はどうなるんだ」と泣きながら力説していた。
世論置き去りなら、与党も野党も国民の敵。肝に銘じてもらいたい。
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税収は過去最高でも、石破政権は国民に還元する気なし。SNS上で批判の声が今もなお広がり続けている。関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。