政治ジャーナリストの青山和弘が政党や各界の論客をゲストに招き、日本の政治を深掘りする「青山和弘の政治の見方」。今回はゲストに日本維新の会 共同代表の前原誠司・衆議院議員を迎え、党として掲げている「教育無償化」政策の意義について、じっくり聞いた。
※記事の内容は東洋経済の解説動画シリーズ「青山和弘の政治の見方」の下記の動画から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
――今回、日本維新の会が推し進めた「高校教育無償化」については、多くの批判が出ています。無償化より先に、世界で戦えるレベルの子どもたちを育てるために教育や先生のレベルを上げることのほうが重要ではないか、という主張も聞かれますが、前原さんはどう受け止めますか?
【動画を見る】教育無償化の狙い/なぜ維新の共同代表に?/旧執行部との確執/“公立高校離れ”は悪くない/Fラン大学は淘汰/改革と無償化を同時並行で/高等教育への投資効果
そのとおり、無償化だけでいいとはまったく思っていません。教育の質の改革も大事です。高校教育に関しては、(無償化によって)私学を選ぶ子どもが増え、公立の地盤沈下につながるというふうに言われることも多いのですが、僕はそれでいいじゃないか、と思うんです。
なぜなら、子どもの目線で見たときに、私学に行きたかったのに親の経済的事情で諦めざるをえなかった子が、私学に行けるようになるわけです。その学校に魅力がある、あるいは強い部活動があるからかもしれない。選べるようになるのは子どもにとっていいことです。
この場合(選ばれなくなった)公立は安さだけがアドバンテージだったということで、それは高校の本当の魅力ではない。自由に選べることによって、質の競争が生まれます。子ども目線で質の高い、あるいは特色のある学校をつくらなければ、選ばれなくなる環境ができるわけです。
もちろん、公立高校でも非常に努力して魅力やレベルの高いところはたくさんあります。でも、何にせよ子どもは減っていき、定員割れの学校は増えていきます。統廃合していかないと、もう無理です。
例えば私の地元、京都府東山区は昔、11学区・11小学校あったのですが、今いくつになっていると思いますか?
水産高校を出た人は水産の仕事に就いているか
――3分の2くらいの数でしょうか。