札幌市南区の動物園「ノースサファリサッポロ」の無許可開発問題を巡り、違法建築の全面撤去に向けて運営会社が市に提出した飼育動物の「移動計画書」の中身が判明した。市があらかじめ要求していた移送先などの具体的な情報はなく、担当部署が3月31日に市役所で開いた記者会見では、近日中に園への立ち入り調査を行う方針が示された。
「飼育状況の全貌(ぜんぼう)がまるで見えてこない」。午後3時半から記者会見に臨んだ市幹部の一人は、運営会社「サクセス観光」の計画書をこう評した。
会見での説明によると、提出された書面はわずか1ページ。「哺乳類421、鳥類126、爬虫(はちゅう)類93」という2024年末時点の飼育動物の大まかな内訳と数のほか、計210匹の搬出を終えていたり、25年度に計95匹の移送を予定したりしていることがうかがえる一覧表だけが記載されていた。市は3月中の提出を求めており、市動物愛護管理センターの担当者が31日朝に週末の受信メールを確認中、28日夜に送られていたものを発見したという。
市は2月28日に行政指導で計画書の提出を求める際、全ての飼育動物の種類とそれぞれの数、移送先と移送予定日などを明らかにするよう指示し、記載すべき項目を一覧表にまとめた「様式例」も示していた。だが、市幹部によると、同社からは情報公開請求で計画書が第三者に開示され、動物の移送先が明らかになるのを避けるため、所定の様式には従わない意向が事前に伝えられていたという。
同社側からは31日にも口頭で「半数以上は受け入れ先が決まっていない」との説明があり、市は状況把握のために近く園の立ち入り調査や従業員らの聞き取りを開始する。一方、「搬出済み」とされた動物については、いつ、どこに移送されたのかを市が検証することは困難だという。会見で千葉司・同センター所長は「(サクセス観光を)信じるしかない」と話した。