さいたま市桜区のマンションで住人の高校1年の女子生徒(15)が刺殺された事件で、上半身の刺し傷が臓器に達していたことが捜査関係者への取材で分かった。埼玉県警は、殺人容疑で逮捕した住所、職業不詳の谷内寛幸容疑者(24)が強い力で刺したとみて調べている。
発表によると、谷内容疑者は14日午後8時15分頃、同市桜区栄和のマンション敷地内で、女子生徒を刃物で切りつけるなどして殺害した疑い。調べに対し、黙秘している。
谷内容疑者は犯行直後の同日午後8時30分頃、マンションから約1・2キロ離れた交番の前で通行人に110番を依頼し、駆けつけた警察官に身柄を確保された。県警は現場と交番の間に落ちていたリュックサックを押収、中には血の付いた本などが含まれており、関連を調べている。
県警幹部によると、女子生徒は知人とさいたま市内の飲食店に行った後、事件に巻き込まれたという。現場周辺の防犯カメラには、女子生徒の後ろを歩く人物の姿が映っていた。
谷内容疑者は昨年10月頃から現場周辺の建設会社で働いており、県警は谷内容疑者に現場の土地鑑があったとみている。しかし、現時点では女子生徒と谷内容疑者の関係性を示す情報はないとしている。
女子生徒は中学校でバスケットボール部に所属。チームメートと県大会出場を目標に練習に励んでいたという。
16日午前、現場には花が供えられていた。現場を訪れた小中学校の同級生の女性(15)は「同級生はみな動揺している。クラスではリーダーを任されたり、明るく元気な子。どうか安らかに見守ってほしい」と涙をこらえながら、手を合わせていた。
県警は16日、谷内容疑者を殺人容疑でさいたま地検に送検した。