警視庁は16日、民間から募集した「サイバー犯罪捜査官」に高橋佑典(ゆうすけ)警部(34)を採用したと発表した。電機大手NECに在籍したまま、2027年3月末までの2年間の任期付きで、サイバー犯罪対策課の係長として捜査指揮に当たる。
警視庁によると、高橋警部は15年にNECに入社。同社で、ネットワークの弱点をチェックしたり、サイバー攻撃に対応したりする業務を担当した。
高橋警部は「サイバー攻撃を止める捜査に貢献したい、警察でしか得られない経験を今後のキャリアに生かしたいと考えた」と応募理由を説明。今月1日から勤務する中で戸惑うことについて「NECでは『さん』付けで呼ばれることが多いが、『高橋警部』と呼ばれることに慣れておらず、反応がワンテンポ遅れる」と話した。
警視庁は今回、初めて任期付きの中途採用を実施。IT関連企業や自動車メーカーなどに勤務する33~71歳の男女19人が応募し、書類選考と面接を経て合格者を決めた。菅潤一郎・警務部参事官は「民間で得た知見やノウハウを生かして活躍してほしい」と述べた。【松本惇】