大阪万博のアンゴラ館は26日ようやく開館も…唯一未完成「ネパール館」はいつ開館するのか?

大阪・関西万博の開幕から2カ月以上経った26日、アンゴラパビリオンがようやく開館した。開幕日こそ使用許可の下りた一部を来場者の雨宿りのため開放したが、翌日からは休館したまま。着工が今年2月と出遅れ、内装工事が中断。下請け業者間での工事費の未払いも発生していた。
これで、いまだ開館していないのはネパール館のみ。こちらも業者間での工事費未払いが発覚し、今月16日まで内装工事が中断していた。
日刊ゲンダイ記者が21日に現地を訪れると、外観こそ完成しているが、内部では作業員が工事を進めていた。周辺はポールで立ち入りが規制され、多くの人出で賑わう会場内で、ここだけが静まり返り異様な雰囲気。
通りがかった来場者の中には「あ、ネパール館! これか!」と、スマホ片手にパシャパシャ写真を撮る人もいた。一周回って、「名物」になっているようだ。
未払い問題は他にも、ドイツや中国など複数のパビリオンで下請け業者が被害を訴えている。吉村府知事は26日の会見で「わが国の建設業に対する信用を低下させる」と語り、相談体制を強化すると明らかにした。
■食い違う当事者の認識
一連のゴタゴタの背景について、建築エコノミストの森山高至氏に聞いた。
「夢洲会場は軟弱地盤に加え、交通の便が悪く、パビリオンの工期もタイトで難工事が予想されていました。そのため大手ゼネコンは参加に消極的で、その穴を埋めるため、本来なら大きな工事を請け負えない小規模や、経験の乏しい業者が集っているようです。結果としてトラブルが多発し、未払い問題が発生しているのでしょう」
そもそも参加国は、日本国内の建設業者とのツテも持っていない。
「2年前、私のもとにネパール館関係者から『請け負ってくれる建設業者を紹介してくれないか』と相談が来ていました。その時点では、異業種の企業が間に入っているなどしており、業者探しの段階で苦戦しているようでした」(森山高至氏)
駐日ネパール大使館に今後の見通しを聞くと、「工事関係者からは完成まであと1週間ほどかかると聞いている」と回答。一方、万博協会広報部は「引き続き会期中の開館を目指していくが、時期については未定」と答えた。どうも現状認識が食い違う。
万博はすでに会期の4割を消化している。ネパール館は10月までの開催期間中に、“開幕”の日を迎えることができるのか。
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これから大阪万博に出かける方は要チェック。 ●関連記事【もっと読む】『大阪・関西万博“裏の見どころ”を公開!要注意の「激ヤバスポット」5選』は必読です!