悪質なホストクラブを規制する改正風営法が28日、施行され、恋愛感情につけ込んで飲食させる「色恋営業」などが違法となった。この法改正に伴ってホストクラブやキャバクラなどの広告も規制が強化され、過度な競争意識を生じさせるとして「指名数ナンバーワン」「億超え」などが禁止ワードに。大阪・ミナミなど繁華街に設置された大型広告にも変化が生じることになる。
改正風営法は、ホストクラブによる高額な売掛金(ツケ)問題などを受け、5月に成立。色恋営業などが行政処分の対象となったほか、料金支払いのために女性客に性風俗店での勤務やアダルトビデオへの出演を要求する行為は刑事罰の対象となる。
広告に関しては、もともと風営法で「清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告や宣伝をしてはならない」と定められていた。この条文自体に変化はないが、警察庁は法改正の趣旨を踏まえ、6月上旬に警視庁と各道府県警へ通達を発出。ホストらの過剰な競争意識を生じさせ、違法行為につながりかねない広告は規制対象に含まれるとの解釈を示し、具体例も列挙した。
通達によると、「指名数ナンバーワン」「億超え」といった営業成績を直接的に示す文言が禁止に。また、「覇者」「神」「レジェンド」なども「営業成績が上位であることを推認させる」として違反例に示された。さらに「売り上げバトル」「SNS総フォロワー数〇万人」「〇〇を推せ」といった文言も「応援を過度にあおる」などの理由で違反に該当するとした。
違反する広告があれば、各都道府県の公安委員会から是正を促す「指示処分」が出される。悪質な違反や指示処分を無視した場合には、営業停止などの行政処分を受ける可能性もある。こうした規制は屋外だけではなく、店の中に設置された広告も対象となる。(木津悠介)