「ルフィ」と名乗る人物らのグループによる広域強盗事件で、強盗致傷ほう助や詐欺などの罪に問われた小島智信被告(47)は1日、東京地裁(板津正道裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は冒頭陳述で、指示役の依頼に基づきX(ツイッター)で実行犯を募る「リクルーター」という重要な役割を果たしたと指摘。「たたき」といった強盗の隠語を用いて「闇バイト」を募集していたとした。
小島被告は拠点のフィリピンから2023年2月に強制送還された幹部4人のうちの一人。幹部の裁判が始まるのは初めて。弁護側は、小島被告が強盗事件の計画の詳細は知らされておらず、関与の程度は小さかったと反論した。
起訴状によると、小島被告は渡辺優樹(41)、今村磨人(41)、藤田聖也(41)の3被告=いずれも強盗致死罪などで起訴=らと共謀し、22年10~12月にあった計3件の強盗致傷、強盗未遂事件(被害総額約7600万円)で実行役を紹介したとされる。計19件の特殊詐欺事件(被害総額約5400万円)にも関与したとして起訴された。
検察側は、4人が17年以降、タイやフィリピンから日本人の高齢者をターゲットとした特殊詐欺に関わるようになり、21年4月までにフィリピン当局に拘束されたと指摘。収容所で渡辺、今村、藤田の3被告が指示役となり、秘匿性の高い通信アプリを用いて日本の実行役に強盗をさせたとした。【安達恒太郎】