集まれ全国の佐藤さん 「ルーツ」栃木・佐野市が聖地化プロジェクト

全国の佐藤さん、いらっしゃい――。約192万人と日本人最多とされる「佐藤」姓のルーツを自任する栃木県佐野市は、同市を「佐藤さんのふるさと」として聖地化するプロジェクトに乗り出す。佐藤さんによる「佐藤会」(仮称)を組織する一方、地元に「佐藤おもてなし隊」(同)を設けて交流を進め、地元の名所や特産品のPRにもつなげる計画だ。【太田穣】
市によると、佐野市には平安時代、平将門の乱を鎮めた藤原秀郷が唐沢山城に居を構えており、「佐野の藤原」が佐藤のルーツとなったという説が有力という。佐藤姓は全国に広がり、大手生命保険会社によると、2位の鈴木姓に約10万人の差を付け、最多の名字とされている。
和歌山県海南市が「鈴木姓発祥」を押し出し、ふるさと納税などで成果を上げていることなどから、佐野市も「佐藤」に着目。「『佐藤さんゆかりの地』聖地化による関係人口増加プロジェクト」を策定し、8月に国の地方創生推進交付金の交付が決まった。
事業期間は2021年度までの3年間。初年度は「佐藤氏のルーツ」や佐野と佐藤氏の関わりを探る学術調査に着手する。
計画では今後、自らのルーツに愛着を持つ人たちによる「佐藤会」を発足させ、市民がおもてなし隊を結成して歓迎する。秀郷ゆかりの唐沢山城跡を聖地とし、秀郷が河内国(大阪府)から鋳物師を呼び寄せたのが始まりとされる市特産の天明鋳物を由緒あるものとして売り出す。
さらに、佐藤さんの「ふるさと愛」を深めることで、個人や企業のふるさと納税にもつなげたい考え。具体的な事業内容は今後提案を募る予定という。
9月には佐野ブランドキャラクター「さのまる」が海南市を訪ねてPRした。今後も名字で地域おこしをしている全国の自治体と連携し、イベント開催などプロモーションを強化していく。
市は「人口減少の中、全国最多の佐藤さんの力を借りてまちづくりを進めたい」としている。