津久井やまゆり園事件から9年 炎天下で献花の列、障害者差別の根絶へ決意

津久井やまゆり園事件の発生から9年を迎えた26日、炎天下にもかかわらず多くの人が同園を訪れ、献花した。障害者差別の根絶を願い、共に生きる社会の実現へ決意をあらたにしていた。
事件で重傷を負い、今は座間市内のアパートで暮らす尾野一矢さん(52)は父・剛志さん(81)、母・チキ子さん(83)らと献花に訪れた。
一矢さんは5年ほど前から、重度訪問介護制度を使った「支援付き1人暮らし」を続けている。この日は少し緊張気味だったが、スーパーで自ら選んだ花を手向けた。
事件のトラウマ(心的外傷)などで訪問が難しい時期が続いたが、この3年は毎年、献花している。介護者の大坪寧樹さん(57)は「地域生活で自信を得たあかし。同様の暮らしが広がってほしい」と願った。