参院選大敗を受けて28日に自民党本部で行われた両院議員懇談会では、「衆院選、東京都議選、参院選と3連敗」の石破茂首相(党総裁)に対して批判が噴出した。しかし、首相は辞任などの明確な意思を示さずじまい。出席した神奈川県関係議員は「ガス抜きにもならない」などと危機感あらわだった。
会長の小泉進次郎農相(衆院神奈川11区)をはじめ所属議員から閣僚5人を出す同党県連だが、23日には梅沢裕之幹事長らが党本部を訪ね、首相の事実上の退任を迫る要請を行った。要請については小泉会長も了承。副総裁の菅義偉元首相(2区)に加え、小泉氏以外の県内閣僚4人も黙認状態で、神奈川からも首相の外堀が埋まりつつある状態だ。
懇談会は非公開で開かれ、県関係からは河野太郎(15区)、三谷英弘(比例南関東)、牧島かれん(17区)、1期生の草間剛(19区)の4氏が発言。牧島氏は党改革の必要性を訴えたが、他の3人は首相の責任を追及。しかし、首相ら執行部の答弁は「『重く受け止める』などのレベルにとどまった」(出席者)という。
出席者によると、草間氏は参院選で首相が県内に2度入り応援した新人脇雅昭氏が辛勝できたことに「感謝している」と前置きしつつ、自民大敗の結果に触れ「神奈川からは5閣僚、菅副総裁も政権を支えているが、それでも県連から文書が出る重みを受け止めてほしい」と指摘。「組織としてけじめをつけなければならない」と訴えた。
三谷氏は参院選で与党過半数割れとなったものの、続投の理由を「比較第1党としての責任」と掲げた首相に対し、「開票の途中から比較第1党と軽々しく言わないでほしい。しっかり責任を取るべきだ」と批判。「過半数を取るという責任。過去の発言を覆す理由を話してほしい」と迫り「政権を死守し、下野などすべきではない」と訴えた。