ヨットレース3位の医師、3日後の出航で砂利採取運搬船と衝突し死亡…大分県沖

13日午前8時15分頃、大分県津久見市保戸島の北東約2キロの沖合で、鹿児島市の会社が運航する砂利採取運搬船「第三十八さだ丸」(長さ約65メートル、492トン)の船長から「ヨットと衝突した。ヨットが沈んだ可能性がある」と佐伯海上保安署に通報があった。大分海上保安部によると、ヨットに乗っていた大分市の医師山本真さん(70)が周辺海域で救助されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。
同保安部は同日夜、運搬船船長の男(28)(静岡県焼津市)を業務上過失往来危険と業務上過失致死の疑いで逮捕した。
同保安部の発表などによると、同保安署の巡視艇が午前10時頃、保戸島の北西約4キロの海上で、うつぶせで浮いていた山本さんを救助した。山本さんは搬送時、心肺停止状態だったという。
捜索開始当時、視程は50メートル以上200メートル以下の「不良」だったという。運搬船船長は通報時、「ヨットに複数人乗っていたようだ」と説明していたが、同保安部はその後の調査で、山本さんは1人で乗っていたと判断した。ヨットは沈没したとみられる。
同県勤労者医療生活協同組合によると、山本さんは同組合の理事長で、大分協和病院(大分市)の院長も務めていた。また、佐伯セーリングクラブの上杉育功会長(42)によると、山本さんは10日に同県佐伯市で開かれたヨットレースで3位に入ったという。13日朝に同市の港をヨットで出航する山本さんを見送った上杉さんは「『気を付けて』と呼びかけると、『お世話になりました』と応えてくれた。ただただ悲しい」と語った。
一方、運搬船には、船長を含む5人が乗船していたが、けが人はいなかった。