北海道・知床半島にそびえる標高1661メートルの羅臼岳。
8月14日午前11時すぎ、登山客から緊迫の110番通報がありました。
「友人がヒグマに襲われた」
襲われたのは登山客の20代男性です。
通報者の男性と2人でいたところクマに襲われ、やぶの中に引きずりこまれたとみられています。
男性が襲われたのは標高550メートル付近で、通報した男性は逃げて無事でしたが、襲われた男性の安否はわかっていません。
(五百住アナウンサー)「救助隊が登山客を救助しています」
羅臼岳は現在、入山口が規制されていて、警察などのヘリコプターがほかの残された登山客を救出しています。
知床財団によりますと、羅臼岳の登山道では12日朝も登山客がクマに遭遇し付きまとわれていて、7月以降、人を怖がらないクマが相次いで目撃されていました。
クマの生態に詳しい専門家はー
(北大大学院獣医学研究院 坪田敏男教授)「羅臼岳は知床半島の中心にある山で登山者も多いし、ヒグマが多い中で登山者がたくさんいても事故が起こらないということでいい事例と思っていたんですけど、そこで人身被害が起こったのはショックでした。一般的にはヒグマは人を避けてくれる動物で、こちらの存在を先に知らせればクマが逃げてくれるのが常識。普通のクマとは違う行動を示していた、行動が変容していたクマだと思います。警鐘を鳴らしていたと思うが、できればそこは避ける、登山しない方が良かったと思う」
警察は安全を考慮して14日の捜索を断念、15日は午前5時から捜索する予定です。
今回の被害をまとめました。
14日午前11時すぎ、斜里警察署に「友人がヒグマに襲われた」と110番通報がありました。
現場は羅臼岳の標高550メートル付近で、襲われたのは20代の男性です。
警察によりますと、襲われた男性と友人は2人で午前5時から登山をしていて、下山する途中で被害にあったということです。
襲われた男性は友人の200メートルほど前を歩いていたところ、クマに襲われました。
友人が近づいてクマを追い払おうとしましたが、男性は登山道から林の方へクマに引っ張られていったということです。
その際、男性が太もものあたりから出血していたのを友人が確認していますが、現在も安否は分かっていません。