森友文書「極力新たな文書を開示しないように」…情報公開請求の対応巡り、手書きで「忖度」とも

学校法人「森友学園」を巡る決裁文書改ざん問題で、財務省は13日、自殺した元近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54歳)の遺族に関連文書約1万8000ページを開示した。情報公開請求への対応を巡り「極力新たな文書を開示しないように対応することで与党と調整」と記載されるなど、財務省側が公開に消極的な姿勢を示す文書が複数見つかり、「忖度(そんたく)」と手書きされた箇所もあった。
文書は赤木さんの妻、雅子さん(54)が財務省側に開示請求したもので、開示は4月と6月に続いて3回目。赤木さん以外の近畿財務局職員や財務省職員がまとめたとみられる資料で、一連の問題を巡る情報公開請求に関して、内部で対応を検討した結果を記したものが多数あった。
2017年6月に近畿財務局内部で共有されたメールには、財務省理財局側に確認したとみられる方針として「森友案件に関しては、今後、開示請求に対して極力新たな文書を開示しないように対応することで与党と調整している」と記載されていた。
「理財局にも対応を確認しておく必要がある」と書かれた近畿財務局職員のメールを印刷した文書では、この部分にアンダーラインを引いて赤字で「忖度」と手書きされていた。同じメールを印刷した別の文書には、「いかに出さない方法を検討するか 存在を知らない者に対して本件の特定にたどりつかないようにしたい」との書き込みもあった。
また、近畿財務局職員と学園の理事長(当時)がゴミの撤去費用を巡って電話でやりとりした応接記録を巡り、理事長の「現時点で、2億や3億はかかっている」といった発言について、理財局総務課長(当時)が「2億や3億のくだりは削除願います」と近畿財務局にメールで指示した内容もあった。
この問題では17年2月、学園に対する国有地売却での大幅な値引きが国会で問題視された後、財務省の決裁文書から国会議員などに関する記載が削除された。財務省の調査報告書(18年公表)などから、理財局の指示で近畿財務局職員が改ざんしたことなどが判明したが、改ざんの経緯や指示の全容は明らかになっていない。