静岡県伊東市議会の調査特別委員会(百条委)への出頭を拒んできた田久保真紀市長が13日、初出頭した。百条委では、市長の知人が「『大学を卒業していない』と聞いた」と証言しており、市長の発言が注目されたが、田久保市長は従来の主張を繰り返した。
田久保市長はこれまで、百条委への出頭要請について「回答が事実上不可能な内容を含み、不適切な請求」と拒んできた。しかしこの日は、百条委で取り上げられる情報や証言に信ぴょう性が低いものが多いと初出頭した。
百条委は、田久保市長が冒頭、宣誓書を読み上げて、証人席に弁護士と前後に並んで始まった。委員が東洋大の卒業証書のコピーと卒業アルバムの現物を持参し、市長に確認すると、市長は「自分の『証書』と『アルバム』と同じ物だと言っても問題ない」と回答した。「卒業証書」をいつどこで入手したのかという問いには「記憶にない」と答えた。「大学を卒業した認識だったのか。イエスかノーで答えてください」との質問には「卒業していない事実を知ったのは6月28日」と答えるなど、かみ合わない場面も目立った。
終了後に取材に応じた田久保市長は「市民や職員に十分説明できた」と話す一方で「百条委での発言は重いので、確認済みの事実に限定して回答した」とも語った。
中島弘道議長は取材に対し、「回答書の反復、核心への不回答、論点ずらしが顕著。真実を述べているとは思えない」と述べた。百条委はあと1回ほど開かれ、月内にも結論を出す予定という。