臓器提供の「意思表示」、2割超に増加…マイナカード普及など影響か

内閣府は12日、臓器提供をするかどうかについて「意思を表示している」と答えた人が2割を超えた、とする世論調査の結果(速報値)を発表した。4年前の前回調査より増えており、厚生労働省は、自分の意思を記入できるマイナンバーカードの普及などで、意思表示が進んだとみている。
調査は、移植医療に関する国民の意識を把握しようと実施された。7~8月に18歳以上の男女3000人に郵送で行い、回収率は46・4%だった。
その結果、マイナカードや運転免許証などで、臓器提供の意思表示をしている人は20・9%に上った。内訳は、「家族などと話したことがある」が10・0%、「家族などと話したことはない」が10・9%だった。質問形式が異なるため単純に比較できないが、2021年の前回調査では、意思表示していた人は約10%にとどまっていた。
意思表示する方法では、マイナカードを「知っている」と回答した人は39・0%と、21年の18・9%から倍増した。認知度が最も高かったのは運転免許証の66・6%で、医療保険の資格確認書と健康保険証が50・0%で続いた。また、臓器提供に関心があるとした人は62・3%に上った。
国内の臓器提供数は海外に比べ少なく、ドナー不足は深刻だ。厚労省の担当者は「臓器提供に関する普及啓発に力を入れたい」と話している。
内閣府は2~5年ごとに同様の調査を行ってきたが、速報値の公表は初。11月下旬に性別や年代別を含む確定値を公表する予定だ。