前橋市の小川晶市長(42)が既婚の男性職員とホテルに行っていた問題で、市議会は29日、各会派の質問や意見を集約した書面を小川市長に提出した。これを受け、小川市長は来月2日、全市議38人に説明する予定だ。
市議会の富田公隆議長と藤江彰副議長が、非公開で小川市長に書面を手渡した。
書面では、最大会派の前橋高志会と第2会派の前橋令明などが市長に高い倫理性を求める政治倫理条例に抵触する可能性を指摘し、現状の説明では市長職の継続を「理解することは到底できない」とした。
公明党は「市民が納得できる回答がない限り」との条件付きで辞職を求めた。
立憲民主党と国民民主党の市議でつくるまえばし市民クラブは、ホテルで仕事や私的な会話をしていたとする小川市長の説明を「信じたい」とし、「任期を全うしていただきたい」と意見した。共産党は26日に辞職勧告決議案を富田議長に提出したが、今回は公用車の使用に関する質問などにとどめた。
富田議長は市長から来月2日の説明の場では質疑にも応じるとの提案があったことを明らかにし、「説明責任の一端を果たす気持ちになってきたと思う」と述べた。
一方、市役所への苦情は続いており、29日午後5時15分現在で計約3500件の苦情や無言電話があったという。市は26日夜から通常の業務時間外にも担当を2人配置し、対応に当たっている。