自民税調会長に「インナー外」の小野寺五典・前政調会長を起用へ…財政規律派の宮沢洋一氏と交代

自民党は9日、新執行部発足に伴う党内人事で、党税制調査会長に、旧岸田派の小野寺五典・前政調会長(65)を起用する方針を固めた。同じ旧岸田派の宮沢洋一税調会長(75)の後任となる。
税調会長は高い専門性が求められるため、党税調の実質的な意思決定機関である「インナー」と呼ばれる非公式会合のメンバーから選ばれることが多く、インナーではない小野寺氏の起用は珍しい。自民の高市総裁は、積極財政路線の経済政策を掲げており、旧大蔵省出身で財政規律派として知られる宮沢氏を交代させる方向で調整していた。
小野寺氏は、衆院宮城5区選出の当選9回で、2度の防衛相などを歴任している。昨年9月からは党政調会長を務め、所得税の課税最低限を引き上げる「年収の壁」見直しなど野党との調整に当たった。
高市氏は9日夜のNHK番組で小野寺氏の起用を認めた。与野党で「年内のできるだけ早い時期の実施」で合意しているガソリン税の暫定税率廃止と、国民民主党と「178万円への引き上げを目指す」と合意している「年収の壁」見直しについて触れ、「公党の合意はしっかり守っていくことを基本に活躍してほしい」と語った。