銀行本店の地下駐車場に子グマが侵入、獣医師が吹き矢で麻酔かけ捕獲…親グマの行方は不明

28日午前6時45分頃、盛岡市中央通の岩手銀行本店の地下駐車場に子グマ1頭が侵入したと、警備員から110番があった。現場は県庁や裁判所が立ち並ぶ官庁街。岩手県警などが駐車場の出入り口を封鎖し、約3時間半後に盛岡市動物公園の獣医師が吹き矢で麻酔をかけて捕獲したが、周辺は一時騒然となった。
県警によると、27日午後10時10分頃、銀行近くの中津川にかかる上ノ橋付近で「親子のクマが歩いている」と通行人らから複数の110番があった。駆けつけた警察官らが、川沿いの遊歩道付近を徘徊(はいかい)する親子とみられる2頭のクマを発見した。
2頭は近くの住宅の木に登って約1時間とどまった後、別々に走って逃げた。銀行の駐車場に入り込んだのは、このうちの1頭とみられ、親グマとみられるもう1頭の行方はわかっていない。
銀行は通常営業し、けが人もなかった。市教育委員会によると、周辺の小中学校計9校では、保護者に児童生徒の登校に付き添うよう求めた。市は広報車での注意喚起やパトロールを強化し、SNSでもクマに関する情報を発信した。
同市では9月以降、中心部でクマの出没が相次いでいる。23日にも今回の現場に近い中津川の河川敷などでクマ1頭が約4時間にわたって走り回り、住宅街に逃げ込んだ後、姿が見えなくなっていた。
銀行近くのバス停にいた飲食店経営の女性(71)は「最近はクマがよく出るので外を歩くのも怖い」と不安そうに話していた。