日本医師会の松本吉郎会長は6日の記者会見で、診療所に支払われる診療報酬の圧縮が財政制度等審議会(財務相の諮問機関)で議論されたことに対し、「診療所の4~5割は赤字で大変な状態だ」と反論した。
5日の財政審の分科会で財務省は、来年度の診療報酬改定に向け、診療所の報酬を「適正化の方向で検討すべきだ」と指摘。一定機能を有しない場合には初診・再診料を減算する案や、基準を満たせば初診料に上乗せできる「機能強化加算」を廃止する案を提示した。
松本会長は「財政的な観点のみから個別の診療報酬を議論することは看過できない」と不快感を示した。
また、医療介護分野で働く現役世代の賃上げが実現できない状況に触れ、「財政審の議論には、人材流出と経営悪化によって、医療介護の提供体制が維持できなくなるという危機感が感じられない」と批判した。