高市首相は6日の参院代表質問で、国家安全保障戦略など3文書の前倒し改定を巡り、無人機の大量運用などロシアのウクライナ侵略を踏まえた新たな防衛体制を盛り込む考えを示した。
首相は「無人機の大量運用をはじめとする新しい戦い方や、長期戦に耐えうる継戦能力の必要性を踏まえた上での検討を進めていく」と語った。「インテリジェンス(情報収集、分析)に関する国家機能の強化が急務だ」とも指摘し、政府の司令塔「国家情報局」の創設などに向け、早急に論点を整理する考えも示した。
南鳥島(東京都)周辺のレアアース(希土類)開発では、「日米間の具体的な協力の進め方を検討していく」と明らかにした。日本政府は、来年夏に水深6000メートルからレアアースを引き揚げるための実証試験を予定している。
一方、労働時間規制の緩和を検討するよう上野厚生労働相に行った指示について、首相は「撤回はしない」と強調した。選挙期間中の偽情報を防止するためのSNS利用規制に関しては「各党・各会派での議論に期待している」と述べた。