「距離感バグってる」高市首相の“スキンシップ外交”が実は「一流」発揮した“センス”

韓国・ソウルで行われたAPEC首脳会議の一幕が、思わぬ形で話題を呼んでいる。
映像に映っていたのは、青いジャケットに身を包んだ高市早苗首相。隣に座るチリのガブリエル・ボリッチ大統領の右側から、奥の左肩に手を添えるように軽く身を寄せ、笑顔を向ける姿だった。
高市首相の「距離感」に物議も
この映像がSNSで拡散されると、《距離感がバグってる》《セクハラでは》《完全にコミュニケーションを間違えている》といった戸惑いの声が一部から上がった。しかしその一方で、《チリの挨拶文化を理解している》《まさに相手を尊重する外交》《外交礼儀をかなり学んできていると思う》といった称賛のコメントも相次いでいる。 南米・チリでは、親しい間柄や初対面でも、ハグや肩に手を置き軽く引き寄せるなど、スキンシップを交えた挨拶が一般的だ。特に親愛や信頼を示す場面では、軽く身体に触れることが礼儀とされることも。フォーマルな場でも、親しくなると自然な肩タッチやハグが交わされるという。
国際政治アナリストは「高市首相の動作は偶発的なものではなく、相手国の慣習をきちんと踏まえた“ボディランゲージ外交”」だと指摘する。
「相手の文化や人柄に合わせ、最適な距離を取るのは一流の外交官の条件。高市首相が事前に相手国の挨拶文化を理解していた可能性は高いでしょう」
映像をよく見ると、ボリッチ大統領も自然な笑顔で応じ、わずかに体を寄せて会話を続けている。形式ばった握手ではない、“心の距離の近さ”が伝わるやり取りだ。
高市首相の“外交センス”
実際、ボリッチ大統領は自身のX(旧ツイッター)に該当の映像を投稿し、
《チリを代表して、同国史上初めて女性がこれほど高い責任を担うことになったことに対し、お祝いの意を伝えました。日本とは、アジア太平洋地域の発展に向け、私たちの共有する価値観を基盤として引き続き緊密に協力していく所存です》
と、前向きなコメントを残している。
SNSでも《日本的な遠慮ではなく、相手に合わせる柔軟さが素晴らしい》《予習していたに違いない》《尊敬する》など、称賛の声が次々と投稿された。
これまでも高市首相は、海外でのスピーチや会談の際に流暢な英語で発信し、ジェンダーやAIなど国際的なテーマに積極的に発言してきた。「強い女性リーダー」という印象のある彼女だが、今回のように“柔らかく、温かい”一面を見せたことで、「親しみを感じた」「相手を気遣うリーダー像が伝わった」と、より多くの支持を集めている。
「外交は言葉以上に“空気の読み方”が大切です。相手の文化を理解し、相手のペースで距離を詰める。その繊細なバランスを取れる人は多くありません。高市首相はまさに、そのセンスを発揮したと言えます」(前出・国際政治アナリスト)
“距離感が近い”と話題になったその一瞬が、実は国と国をつなぐ“心の距離”を縮めていたのかもしれない。高市首相の一挙手一投足が、令和の外交スタイルを新たなステージへ導こうとしている。