山上被告、45歳まで「生きているべきではなかった」 傍聴席は満席

安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の裁判員裁判が20日、奈良地裁(田中伸一裁判長)であり、被告人質問が始まった。被告は「このような結果になってしまい、大変ご迷惑をおかけしております」と述べた。
弁護側は冒頭、「45歳まで生きていると思ったか」と問いかけると、被告は5秒間ぐらい黙った後に「生きているべきではなかったと思う」と答えた。
被告人質問が始まる直前、法廷の傍聴席は満席で静まりかえっていた。裁判長から促された被告は立ち上がり、ゆっくりとした足取りで証言台の前に進んだ。一礼をして席に座った被告。背もたれにもたれかかるような姿だった。
裁判長から「これから話をうかがいます」と告げられると、被告は「はい」と小さな声で答えた。
被告は10月28日の初公判で、「全て事実です。私のしたことで間違いありません」と起訴内容を認めていた。弁護側も一部無罪を主張しつつ、安倍氏に対する殺人罪の成否は争わない方針を示しており、この裁判では量刑が最大の争点となっている。【岩崎歩、田辺泰裕】