インフルエンザ急拡大 “新たな変異株”「サブクレードK」を医師が解説【ひるおび】

猛威を振るうインフルエンザ。 変異株「サブクレードK」とはどのようなものなのでしょうか。
インフルエンザウイルス変異株「サブクレードK」
「サブクレードK」は、香港A型が部分的に変異した派生型のインフルエンザウイルスです。 イギリスの保健安全保障庁は、イギリスでは例年より早くインフルエンザの感染が拡大しており、ほぼすべての患者がインフルエンザA型で、そのうち84%が変異株の「サブクレードK」であると発表しています。 東京小児科医会HPによると、今シーズンのインフルエンザA型41検体のうち40検体から「サブグレードK」が確認されたという解析結果も出ています。
いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤院長も、「サブクレードK」が感染拡大の原因になっている可能性があるとしています。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長: インフルエンザA型の中にH3N2という型があって、その中にさらに子分みたいにちょっとずつ変化した枝葉があります。 今まで主流だったものが「香港A型」だったんですけど、そこから3か所ほど大事なところの遺伝子が変化したものが出てきて、これが今回の変異株の「サブクレードK」です。
「サブクレードK」が感染拡大の原因?対策は
通常、インフルエンザウイルスが体内に侵入した場合、免疫細胞が攻撃をしますが、変異株ではウイルスの一部分が変わってしまうことで免疫細胞がウイルスと認識できず、攻撃をしない可能性があります。 伊藤院長は、「サブグレードKは従来の免疫が捉えにくくなる変異をしているので、免疫に攻撃されず、感染が拡大しているのではないか」と見ています。
伊藤院長: 症状にとしては元々H3N2タイプのインフルエンザA型は高熱が出やすく、今回のように遺伝子変異もしやすくて、免疫をくぐりぬける力が強い株なんですよね。 「サブグレードK」は、より特性が際立った形なのではないかと思います。
恵俊彰: どう対応していけばいいんですか?
伊藤院長: インフルエンザA型は元々強烈な症状と強い感染力がありますから、今までと方向性は変わりません。 抗インフルエンザ薬も理論上は効きますし、ワクチンに関しても現場の感覚としては、打っている人は重症化の頻度が少ないですね。
インフルエンザの収束時期は?
恵俊彰: 今年は去年と比べてピークの山が手前に来ているじゃないですか。 年末になる頃にピークアウトするということはないんですか?
伊藤院長: 十分にあり得ると最初は僕も思ったんですけれど、「サブクレードK」という変異株が急速な拡大や早い時期の感染にある程度関係しているとなると、多くの感染者数がいてこれから寒くもなりますし、ピークアウトしたとしてもすぐに少ない数にはならず、ゆっくりゆっくり下がってきて高止まりする。あるいは1回下がった後にまた増えるという可能性も残されるのではないかと懸念しています。
(ひるおび 2025年11月26日放送より)