群馬県都初の女性市長の市政は、わずか1年9か月で幕を閉じた。既婚の男性職員とホテルに10回以上行っていた問題を受けて前橋市の小川晶市長(42)は27日、市議会の同意を得て辞職した。先月の続投表明から1か月での方針転換について、小川市長は市議会7会派の辞職要求と市政運営への影響を挙げ、「けじめをつける」とした。一方、出直し市長選への態度は明らかにしなかった。
午後1時過ぎに開会した定例会本会議で市は、小川市長の公約だった市こども基本条例の制定など計44議案を提出。25日に提出した退職願は午後2時5分頃に全会一致で同意された。
本会議後、小川市長は「市政の停滞をさせない意味でけじめをつけることが適切だと思った」と辞職の理由を明らかにした。
25日は、富田公隆議長に退職願を提出する約1時間前に辞職を決めたという。
小川市長は14日の公開対話集会や18日の定例記者会見では、出直し選への立候補に意欲を示していたが、この日は記者団に対して「一人の市民として何ができるのかしっかり考えていきたい」と強調。支援者らと協議、相談して判断するとした。
小川市長の辞職に伴う市長選には、新人で弁護士の丸山彬氏(39)が立候補の意欲を示している。丸山氏は27日、取材に「市が分断されている。もう一度結束させ、誇れる前橋にしたい」と述べた。
職務代理者は28日から細谷精一副市長が務める。
市民から批判や惜しむ声
ホテル問題が明らかになってから約2か月後に辞職した小川晶市長に対し、前橋市民からは「遅すぎる」との批判や、「政策で返してくれれば良かった」と惜しむ声が聞かれた。
南町の運送会社員の男性(72)は「一連の騒動で信用がなくなった。悪い意味で前橋が宣伝され、すぐに辞めるべきだった」と語った。文京町の司会業の女性(55)は「過剰に反応しているのではないか」としつつ、「期待していたが良い市政運営か判断がつかないままの辞職となった」と指摘した。
箱田町の女子専門学校生(20)は「学生の中でも時々話題になっていて、前橋のイメージを下げた。出直し選に出るなら、男女の関係はなかったことを証明してほしい」と求めた。昨年2月の市長選では投票したという天川大島町の人材支援会社員の男性(37)は「子ども施策に力をいれる市長で評判だったので(辞職は)もったいない」とした上で、次期市長には「問題を起こさず信頼できる人を」と望んだ。
文京町の主婦(83)は「女性初の市長として期待していた。政策で返してくれれば続けてもいいと思っていた」と残念がった。