【独自】実刑受けた男の会社「ビビっている社員もいた」元従業員が実態語る“スマート農業”補助金詐欺

スマート農業に関する補助金を国からだまし取ったとして、北海道旭川市の男女3人が逮捕されました。
かつて補助金の横領事件で実刑判決を受けた男が強権をふるう会社の実態を元従業員が語りました。
2025年10月の旭川市内。
ジャンパーを片手に車に乗り込む男をSTVのカメラが捉えていました。
この2か月後。
警察官に連れられ、うつむきがちに歩く男の姿が。
詐欺の疑いで身柄を検察庁に送られた、旭川市の会社員・岡田栄悟容疑者46歳です。
岡田容疑者は2024年4月、大柳彰久容疑者・麻野美穂容疑者と共謀し、農林水産省の「スマート農業」に関する補助金を巡ってうその申請をして、現金882万5000円をだまし取った疑いが持たれています。
警察によりますと、岡田容疑者らは農業用ドローンを納品されたかのように装い、偽造した納品書や納品されていないドローンの画像を申請先に送って、補助金を振り込ませていたということです。
(林記者)「詐欺事件は大柳容疑者が経営する会社で起きました」
関係者によりますと、岡田容疑者は大柳容疑者の義理の兄で、大柳容疑者が代表を務める会社の経営に深く関わっていたといいます。
先ほど元従業員がSTVの取材に応じ、事実上、岡田容疑者が経営の実権を握っていたと話しました。
(元従業員)「岡田は司令塔のような立場。そこから指示を受けてみんなが動く。やれと言われたら絶対なので、おかしくない?って思っていても、言っても無駄だなと。逆鱗に触れた時に怒鳴るので、それにビビっている社員もいた」
岡田容疑者が逮捕されるのは今回が初めてではありません。
(岡田栄悟容疑者)「逮捕前に堂々と出てきて、警察くるかなって見に来る人いないよね」
かつて、NPO法人「大雪りばぁねっと。」の代表を務めていた岡田容疑者。
東日本大震災で被害を受けた岩手県山田町の復興補助金およそ5300万円を私的に流用した罪に問われ、2017年に懲役6年の実刑判決が確定していました。
8年の時を経て、再び補助金を狙ったのかー
(元従業員)「(岡田容疑者)こんなに使って大丈夫?という金の使い方、モノを買って他の女に配るとかおいしいものを食べるとか。贅沢しすぎじゃない?っていう。反省して真っ当に生きてほしい」
さらに、周辺の農家ともトラブルが起きていたといいます。
(記者)「大柳容疑者の会社に土地を貸していた?」
(付近の農家)「そうです。小作料を払ってもらえないから督促状を出していたが何の応答もない。70万くらいかな。他の人も結構あると思います」
浮かび上がってきた会社の実態。
警察は3人の認否を明らかにしていませんが、岡田容疑者が主導的な役割を果たしていたとみて捜査しています。