群馬県富岡市の妙義山で8日に発生した山火事は、今も鎮圧のメドはたっていません。乾燥した状態が続く中、住民からは不安の声が上がっています。
山火事発生から30時間以上たった9日午後5時ごろ。
記者
「群馬県富岡市の山火事現場です。こちらから火の手は見えませんが、発生から30時間以上たった今も鎮火には至っていません」
“日本三大奇景”のひとつとされる標高1104メートルの岩山「妙義山」。住宅地から2キロほどにあるその山から、火の手が上がりました。消防などによると、通報があったのは8日午前9時前。
その2時間半ほど後、映像を撮影した登山客は…。
撮影者
「小さい範囲から煙が出ていた。その後、しばらくしたらだんだん広がっていった。穏やかではあったけど急に強い風が吹く状況」
現場に地上から近づけず、消火活動は難航。火は山の尾根などに燃え広がりました。夜が明けても…。
記者
「一夜明けた妙義山ですが、相変わらず火の勢いは衰えていません」
群馬県によると、9日午前11時時点で30万平方メートル、東京ドーム6個分以上の範囲に延焼したという山火事。火元や原因は分かっていません。
現場周辺は先月末ごろからほとんど雨が降っていないため非常に乾燥した状態で、9日は乾燥注意報が出されています。
9日午前7時すぎから、自衛隊と群馬県などの防災ヘリが消火に当たりましたが、鎮圧のメドはたっていないということです。
ケガ人や民家への被害は確認されていませんが…。
地元に帰省中
「怖いです。乾燥しているし、落ち葉や木がいっぱいある。有名な山だし、毎年初詣で妙義神社にお参りに来るので心配」
地元住民
「心配だよね、広がって」
──民家の多い麓に
「来ればえらいこと」
火事の影響で入山規制が続いている妙義山。観光にも影響が出ています。
山の麓にある道の駅では…。
──客足への影響は?
道の駅みょうぎ 松本正巳店長
「やはり影響はある。(客足は)3割ぐらいは落ちてる。駐車場を見て分かると思う。登山客も当然いない」
今が旬だという群馬の名産品「下仁田ねぎ」も…。
道の駅みょうぎ 松本正巳店長
「(山火事の影響で)きょうは出荷が少ない。普段はテントの下にいっぱい並ぶけど、きょうはない」
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懸命な消火活動が続きます。