《六代目山口組の一足早い「お正月」》司組長が盃を飲み干した「組長8人との盃儀式」の全貌 50名以上の警察が日の出前から熱視線

12月13日、六代目山口組が正月を迎える儀式である恒例の「事始め」を静岡県内の傘下組織事務所にて実施した。今年は現場に、例年以上の警察、メディアが集まり、高い注目度を集めていた──。【前後編の前編】
多くの暴力団がこの日に一年の締めくくりと正月を迎える儀式を行なうが、今年の「事始め」は六代目山口組にとっても”特別”だと実話誌記者は言う。
「実は六代目山口組にとって『事始め』は約7年ぶり。というのも特定抗争指定を受け、神戸市の総本部を使えなくなってから六代目側はこの儀式を『事始め』ではなく『納会』と呼ぶようになっていたからです。
ただ、呼び方が変わっただけで、直参組長から司忍組長への一年の感謝、物故者への追悼、新しく直参に昇格した組長との盃儀式、来年の山口組指針の発表、そして宴会などが催されます。今年は約10年に及んだ分裂抗争を一方的な宣言で終結させたこともあって呼び方をあえて戻したのでしょう」
午前7時過ぎ、NEWSポストセブン取材班が会場に着くと、全国から50人以上の警察、実話誌をはじめとした雑誌メディア、さらに地方局を含めたテレビ局が勢揃い。例年以上の注目度を集めていた。
「司組長の禅譲が近いと見ているのでしょう。今年の抗争終結宣言後、竹内照明若頭が誕生し、執行部(若頭、若頭補佐らで構成され、組織運営を担っているとされる)も大幅に若返りを果たすなど”七代目体制”への準備を進めていると見られる。
この日の挨拶で今後について言及があるかもしれませんからね」(同前)
司組長は直参組長8人と盃
集合時間も例年より早かった。直参組長らは朝6時までに会場入り、7時には高山清司相談役(前若頭)も会場入りしていたとみられる。現場にいた警察関係者はこう推測する。
「今年、長年本部長を務めていた森尾卯太男・大同会会長が舎弟頭に、若頭補佐だった藤井英治・國粹会会長が顧問に就任したことで盃において司組長との関係が”子”から”弟”に、さらに直参組長が6名誕生しているため、計8人の盃儀式を執り行なう必要があったため早めの集合になったのだろう」
8時45分、事務所前のシャッターが開かれ、玄関前に直参組長らが姿を現す。紋付袴姿の竹内若頭の袴には「取持人」と盃儀式での役目が記された紅白の名札がつけられており、平松大睦・源清田会会長には「媒酌人」、若頭補佐らには「立会人」、新直参6人には「子」、森尾舎弟頭、藤井顧問には「弟」と記されていた。盃儀式に参加しない直参組長も同様の衣装で六代目山口組における盃儀式の重要さが伺えた。
「本部長の山下昇・極粋会会長は『親分の御言葉』と書かれた紙を胸元に入れて竹内若頭らと談笑していた。新年を迎える式とだけあって柔和な雰囲気だった」(前出・実話誌記者)
10分後、会場の雰囲気が一転し緊張感に包まれる。黒いベンツが会場に滑り込み、姿を現したのは灰色のスーツに白いマフラー姿の司組長だった。その後、着付けを終えた司組長と盃儀式が執り行なわれたのだった。
後編では直参組長、そして司組長のカラオケセットリストに密着する。(後編につづく)