安倍晋三元首相銃撃事件の裁判員裁判に弁護側証人として出廷した北海道大大学院の桜井義秀特任教授(宗教社会学)が22日、大阪拘置所で山上徹也被告と面会し、被告の様子について「判決を受け止めている様子だった」と語った。
21日の奈良地裁判決は、被告に求刑通り無期懲役を言い渡した。
桜井教授によると、被告は「判決が出る前から(厳しい量刑になることは)雰囲気で分かった。覚悟していた」と述べ、不満は示さなかった。
公判で過酷な宗教被害の実態を証言した妹に「『大丈夫だ』と伝えてほしい」と希望したとし、控訴については「来週に弁護士の先生と相談して決めたい」と語ったという。
被告の一家では、被告の母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に入信したことが事件の遠因になったが、判決は「殺人の意思決定に生い立ちが大きく影響しているとは言えない」とした。
桜井教授は、教団による違法な献金勧誘がなければ事件は起きなかったと指摘し、「判決で、不遇な生い立ちを軽く扱われてしまったような気がする」との見解を示した。【岩崎歩】