【怒り】住宅街に3000袋のゴミの山「洗濯物干せない」住民ら苦悩…持ち込んだ業者に接触できない驚きの理由とは

埼玉県の住宅地に、3000袋以上の産業廃棄物が捨てられた“ゴミの山”があります。近隣住民は洗濯物も干せない日々が続き、臭いにも頭を悩ませています。さらに、ゴミを捨てた人物について取材を進めると、特定されているのに接触できない驚きの理由が判明しました。行政対応の難しさと課題について、野村修也弁護士が解説します。
埼玉・坂戸市の住宅地に突如として現れた黒いシートの壁。中身は全てゴミ、それも産業廃棄物です。無造作に積まれたゴミの山を空から見てみると、約100メートルの広範囲にわたって、畑を覆うように置かれていました。埼玉県によると、ゴミは3000袋以上あるといいます。
こうした中、ゴミの山のすぐ近くで暮らす住民は、さまざまな苦悩を抱えています。近隣住民が撮影した写真には、袋が破れ、中身がむき出しの状態になったゴミが写っていました。こうした細かいゴミが風で飛ばされていたといい、近隣住民は「南風の時は洗濯物が干せない。どんなものが飛んでくるかわからず危ない」と話していました。
その後、埼玉県や坂戸市が何度も飛散防止用の黒いシートを設置し、2025年12月にようやく全てのゴミに対し設置が完了しました。近隣住民によると、ゴミの飛散は以前よりはマシになったといいますが、雨の日の翌日には臭いの被害も出ているといいます。
埼玉県によると、ゴミを最初に確認したのは2020年6月。その時の写真を、近隣住民が撮影していました。
(近隣住民)
「これが、最初にゴミが置かれ始めたとき。このときに我々は何度も『おかしいからやめてくれ』って言ったんだけど、あっという間にゴミの山になってしまった」
埼玉県に確認すると、産業廃棄物は2020年6月~10月までの約4か月にわたって持ち込まれ、現在まで放置されているといいます。ゴミを運搬しているときの写真には、荷台に溢れそうなほど大量のゴミが積まれた大型トラックが写っていました。
近隣住民によると、ゴミが置かれる前、この場所はコンクリートを扱う業者の資材置き場だったといいます。2014年には、まだゴミはなく、建設資材や簡易トイレなどが置かれていました。そして、2019年には重機が置かれ、2025年11月にはゴミが山積みに…。
当初、ゴミを持ち込んだ人物は近隣住民に対し「有価物(お金になるもの)」だと説明していましたが、その後、産業廃棄物だと認めたといいます。
では、一体誰が持ち込んだのか、取材を進めると驚きの証言が飛び出しました。
(近隣住民)
「今、刑務所に収容されているらしいです」
一体、どういうことなのでしょうか?
埼玉県は、ゴミを持ち込んだ人物を特定しています。2022年から指導し、事業者などはゴミの一部を撤去しました。2024年3・7月には、崩落等の恐れがある廃棄物の一部(約70トン)を埼玉県環境産業振興協会・市・県の積立金を活用し、500万円かけて撤去しました。
撤去が進まない理由について、埼玉県の担当者は「廃棄物を撤去する責任は行為者にあるが、行為者が別件で逮捕、収監され接触できず、撤去指導が困難な状況が続いている。収監が終わり次第、撤去指導を再開。土地の所有者らにも撤去の指導を継続する」と話しています。
なお、取材によると、住民は住民説明会で「全てを撤去する費用は概算1億円ほどかかる」と説明されたということです。
Q.逮捕されたとはいえ、廃棄物の撤去は別件なので、何とかならないんですか?
(野村修也弁護士)
「命令を出していても、本人が応じないことが次のステップにいくための条件になっていたりします。ところが、“応じない”ではなく、逮捕されたので“今は応じられない”という話なので、命令は今、宙に浮いた形になっているんだと思います」
Q.行政がゴミを動かすことはできないんですか?
(野村弁護士)
「ゴミとはいえ人のものなので、行政が勝手に捨てるのは、そう簡単にできることではないんです。手続きを踏んでいかなければいけません」
Q.よく『行政代執行』と聞きますが、そこに行くまでには、かなりの時間がかかるということですか?
(野村弁護士)
「そうです。しかも、行政代執行で仮に1億円の税金を使ったら、行為者(ゴミの運搬・保管業者)に費用を請求しても、戻ってこない可能性が高いです。行為者(ゴミの運搬・保管業者)が『お金がない』と言ったら、そこで終わってしまう可能性がありますから、行政としても慎重になっているのではないでしょうか」
Q.行為者(ゴミの運搬・保管業者)だけでなく、土地の所有者にも責任がありますか?
(野村弁護士)
「廃棄物処理法第5条で、土地の所有者は自分の土地を清掃しなければいけないという努力義務があります。ただ、行政は努力するよう言っているんだと思いますが、あくまで努力義務なので、『私もお金がない』『立て替えても回収できないならしない』と言っている状況で、ここでも止まってしまっているんだと思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2026年2月10日放送)