【特集】相次ぐ自転車の痛ましい事故… 命を守るためにできることを ヘルメット着用の現状と取り組み 広島

2023年の道路交通法改正により、自転車を運転する際のヘルメット着用が努力義務となりましたが、ヘルメットを着用していなかったことで死亡する事故が後を絶ちません。広島テレビの庭田杏珠記者が、ヘルメット着用の現状や取り組みについて取材しました。
2月2日、広島市中区基町の地下道で自転車同士が衝突し、90代の男性が亡くなりました。また、2025年12月には夜間に自転車の高校生が乗用車と衝突し、一時意識不明の重体になる事故もありました。これらの事故は、いずれもヘルメットを着用していなかったということです。
午前7時半ごろに広島市南区の出汐交差点付近を取材すると、高校が多数あることから、多くの自転車が行き交っていました。しかし、ヘルメットの着用率は、1割程度の印象でした。この日は、自転車のマナーアップキャンペーンがおこなわれており、ヘルメット着用を呼びかけるチラシも配られていました。広島県のヘルメット着用率は、11.5%で全国37位と、平均値も下回っています。
自転車を利用する人に、ヘルメットについて話を聞きました。
■自転車を利用する人は…
「しいて言うなら、デザイン的なものですかね。子どもは被らせています。」
「自分自身が気をつけていれば、特に問題ないかなと思いますね。」
自転車と乗用車の衝突実験では、自転車を運転している人に見立てた人形が、衝撃のはずみで車のフロントガラスに頭部分を激しく打ちつけていました。警察によると、死亡した人の半数以上が頭部を負傷しているということです。また、ヘルメットを着用している時としていない時では、およそ1.7倍も死亡するリスクが高まっています。年齢別にみた広島県内の自転車事故のデータによると、最も多いのが高校生となっています。
広島市中区にある安田女子高校では、自転車通学の生徒全員がヘルメットを着用していました。道路交通法の改正を受けて、義務化したということです。
■安田女子高校生徒支援部 西田賢介教諭
「アンケートをとると、夏場は蒸れるから暑いとか、髪型を気にする声とか聴くのは聴くが、今のところ、決まりについて全面的に変えてほしいという声まではなってない。」
生徒にも、ヘルメットの着用について話を聞きました。
■広島テレビ 庭田杏珠記者
「髪型の話が出ましたけど、皆さんが工夫しているところとか?」
■安田女子高校の生徒は…
「できるだけ崩れないように、市販のものを買って付けていて。髪の毛を崩れにくくするものがあるので、それを使ってはいるが、崩れるときは崩れる。」
「うねったりして邪魔なのでなくしています。前髪を。」
■広島テレビ 庭田杏珠記者
「ちょっと危ないことがあったと?」
■安田女子高校の生徒は…
「朝学校にくるとき自転車でこけてしまって、たんこぶができてしまった。もしヘルメットがなかったら、もっと危ないことになっていたと言われたので、ヘルメットを着用していてよかった。」
県警も、ヘルメット着用を習慣化してほしいと呼びかけます。
■広島県警交通企画課 宮庄律和 情報官
「大人がしっかり被ることで、高校生も被らないといけないかなと(思う)。被る人が増えてくれば、自分も被らないといけないかなという意識になってくると思うので、車のシートベルトと同じように、自転車も事故に遭ったときに被害を軽減するために、ヘルメットをぜひ被ってほしいと思います。」
最近はヘルメットには、つばがついて日よけができるおしゃれな物や、キャップ型やハット型などデザイン性のあり、いずれも軽く、反射材が付いています。今回取材した安田女子高校では、ヘルメットを学校の売店でも販売しており、学校が半額を負担しています。ヘルメットは決して安いものではないことから、このような補助があることで、高校生も身に着けやすくなることが期待されます。
また、鳥取県では2006年から県の条例で「すべての自転車利用者へのヘルメット着用の努力義務」を定めています。そして、自転車通学する高校生に対して、ヘルメット着用が義務化されています。すべての学校の校則にも、書かれているそうです。
自転車の運転については、2026年4月からは青切符制度が始まり、「ながらスマホ」などが反則金の対象となります。それを前に広島県警は、2月を自転車の安全利用とヘルメット着用の推進月間にしています。「車に乗ったらシートベルト。自転車に乗ったらヘルメット。」ますます安全な自転車利用が、求められています。
【テレビ派 2026年2月19日放送】