北陸電力志賀原発1、2号機(石川県志賀町、運転停止中)が再稼働されれば、北陸電に回復できない損害が生じる恐れがあるなどとして、株主ら6人が経営陣に運転差し止めを求めた訴訟の判決が4日、富山地裁であった。矢口俊哉裁判長は、「直ちに損害が生じる『恐れ』があるとまでは言えない」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
原告側は、同原発の安全性に関する必要な調査や分析がされておらず、取締役としての注意義務に違反しているなどと主張していた。これについて矢口裁判長は「(原子力規制委員会の)新規制基準で求められる安全対策を行うことで、重大事故発生を防止するための義務を果たしている」として退けた。
避難計画に実効性がないことが2024年1月の能登半島地震で明らかになったとする主張に関しては、「同地震により実効性に疑問が生じていることは否定できない」と指摘。一方で、より実効性のある計画の策定に取り組んでいると推察されるなどとし、「再稼働が可能となる将来の時点においても計画が不十分であることを想定すべきとまでは認められない」と述べた。
その上で、原発は長期間運転することで投資費用の回収を見込む事業で、「短期的な支出のみを捉えて『損害』と評価することは難しい」と判断。再稼働に向けた活動により「直ちに回復できない損害が生じる『恐れ』があるとまでは言えない」と結論付けた。
志賀原発を巡っては、12年に地元住民らが運転差し止めなどを求め金沢地裁に提訴し、現在も審理が続いている。
北陸電力の話 当社側の主張が認められ、ご理解いただいた結果だ。 [時事通信社]