今回の事故では、研修旅行を巡る同志社国際高側の安全対策が十分に実施されていたかも焦点となっている。平和学習は学校側が独自に計画したものだった。専門家は、出航の判断を船長に一任するなど現場での判断の甘さが最悪の結果につながった可能性があると指摘し、「校外学習のリスクを事前に洗い出した上で、事故時の対応も決めるべきだった」とする。
一般的な修学旅行では旅行会社が企画、帯同し、コース設定や宿泊先、交通機関の手配などを担う。今回の研修旅行でも事前に旅行会社がコースの内容などプログラムを策定していた。
同校や担当した東京の旅行会社によると、今回の研修旅行は14~17日の日程で約260人が参加した。16日は計7コースの中から生徒が希望したコースを選択していた。
7コースのうち、サンゴの植え付けやカヌー体験など3コースは旅行会社が企画。しかし、亡くなった女子生徒ら37人が参加した「辺野古をボートに乗り海から見るコース」など4コースの平和学習は、同校が独自に内容を決めてプログラムに組み込んだという。
修学旅行を手がける愛知県内の別の旅行会社の担当者は「学校側からプログラムを持ち込まれると断りづらい」とした上で「そうしたケースでも会社側で安全性などは確認するはずだ」と疑問を呈する。
救急車のサイレンで覚知
学校側は2隻が海上運送法に基づく事業登録をしていなかったことを把握しておらず、事前に保護者へも抗議船について詳細な説明をしていなかった。
引率していた教員2人はいずれも乗船しておらず、事故が起きたことに救急車のサイレンで気づいたという。
教育現場での危機管理研修などを手がける「学校リスクマネジメント推進機構」(東京)の宮下賢路代表は「修学旅行では引率教員が生徒についていくことが基本だ。現場対応しなければならない教員が船に添乗していなかったことは問題だ」と強調。「事前にリスクの洗い出しや評価が十分になされていなかったのではないか」と述べた。(東九龍)