各メディアの第一報は2025年の6月だった。さいたま市大宮区内のマンションの一室から、棚に置かれた頭蓋骨などが見つかったとして、同部屋に住む斎藤純被告(逮捕当時31歳)が逮捕されたというニュース。室内で発見された人骨は、2018年に行方不明となった女性・Aさん(当時21歳)のものであり、そのあまりにも不可解な事件に各社報道が過熱した。
そして2026年3月18日、窃盗と承諾殺人の疑いで起訴された斎藤被告の初公判が、さいたま地方裁判所にて行われた。公判冒頭でAさんの殺害よりも前に、当時22歳だった女性・Bさんを同様に殺害していたことが明かされる、異様な展開となった傍聴を行った裁判ライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編。※本記事には一部ショッキングな犯行態様が含まれます】
3つの事件内容
身柄拘束が続いている斎藤被告は、グレーのデニムに、黒の長袖のTシャツを着て出廷。細身で背が比較的高く、長く伸びた髪を頭の後ろで束ねていた。マスクをしメガネをかけていたため表情はわからなかったが、被告人席で座っている際は静かに手を組んで、ずっと正面を向いていた。
起訴された事件は全部で8件あり、斎藤被告は全ての事実と内容を認めた。事件内容は大きく3つに分けられる。時系列に沿って説明する。
まずは1件目。2015年10月、神奈川県横浜市在住の女性・Bさん(当時22歳)の自宅で、Bさんの承諾を得た上で、殺意を持って睡眠薬で眠らせ、トイレのドアノブにかけたコートのベルトによりBさんの頸部を締めて窒息させ殺害した。これは今回の公判で新たに明かされた殺人事案だった。
2件目。2018年1月、さいたま市大宮区内の斎藤被告宅において、Aさん(当時21歳)の承諾を得た上で、殺意を持って睡眠薬で眠らせ、ハシゴにかけたロープを用いてAさんの頸部を締めて窒息させ殺害した。この事件で殺害されたAさんが、2025年に被告人宅で見つかった頭蓋骨と同一の人物である。
そして、2022年5月~2025年4月までのあいだ、6回にわたり、さいたま市内の駅のホームやエスカレーター上において、見ず知らずの人物のリュックの外ポケットに入れられていたスマートフォンを抜き去り窃取した。
以上、2件の承諾殺人と6件の窃盗の罪に問われている。一見、窃盗と殺人は関係ないように見えるが、検察官の冒頭陳述などによると、斎藤被告は小学生の時から殺人願望があり、抵抗されないように背後から殺人する”練習”として、スマホの窃盗を繰り返していたというのだ。
人を殺す練習としてのスマホ窃盗