高市首相肝入りで今国会「最重要法案」の国家情報局創設、近く審議入り…野党は懸念示し激しい論戦か

「情報の政治利用」に批判的意見も
政府のインテリジェンス(情報収集、分析)の司令塔機能の強化に向けた国家情報会議設置法案が近く審議入りする。高市首相肝いりで、同会議の下に総合調整機能を持つ「国家情報局」を創設することが柱だ。与党は今国会の「最重要法案」と位置づけるが、一部野党は懸念を示しており、激しい論戦が交わされそうだ。(太田晶久、桜木優樹)
衆院議院運営委員会は26日の理事会で、同法案を今国会で特に重要な「重要広範議案」に指定することを確認した。4月上旬にも審議が始まる見込みだ。
首相はインテリジェンス強化が持論で「国益を守るためには、質が高く、適切なタイミングを捉えた情報の収集・分析と高度かつ的確な意思決定を行う必要がある」などと訴えてきた。
同局の設置は、省庁の「縦割り」を排し、政治主導でインテリジェンス機能の強化を図るもので、自民党と日本維新の会の連立合意書にも盛り込まれている。
法案は、外務省や公安調査庁など各省庁に対し、首相をトップとする同会議に必要な資料・情報を提供することを義務付けている。同局に与えられた総合調整機能により、政府側は「より質の高い情報・資料を集約することができる」(高官)と意義を強調する。
これに対し、中道改革連合の小川代表は27日の記者会見で「国論を二分しかねないテーマの一つだ。野党側の積極的な提案を謙虚に受け止めていただきたい」と求めた。党内には首相主導での機能強化に「情報の政治利用につながる」(幹部)と批判的な意見がある。
連立合意書には同局の設置に加え、外国勢力の情報工作などを取り締まるためのスパイ防止法案の制定が記載されていることを問題視する声も出ている。
共産党の山添拓政策委員長は27日の記者会見で、同局設置を巡り、「スパイ防止法と一体をなす情報機関の機能強化に狙いがある」と主張。政治による市民の監視強化につながるとして、「目的に非常に懸念を持っている」とも述べた。
国民民主党や参政党などは、インテリジェンス機能の強化に「大きな方向性は賛同する」(国民民主の玉木代表)として前向きで、国家情報会議設置法案は与党が少数の参院でも可決のめどは立っている。
このため、政府は同法案をスパイ防止法案と切り離し、法制化を進める構えだ。同局の創設を見込む今夏以降、新たな有識者会議を設置し、スパイ防止のための法整備などに向けた議論を始める考えだ。