東洋大が残業代未払い、20年以上・年間1800万円か…労基署が是正勧告

教職員らの残業代の一部が未払いだったとして、東洋大(東京)が昨年10月、王子労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けていたことがわかった。同大は未払いを認めつつも、対象人数や金額については「精査中」としている。大学関係者によると、未払いは20年以上にわたって続き、年間の未払い額は1800万円程度に上るという。
東洋大や大学関係者によると、教職員の残業代を算出する際の基準となる「月額給与」について、本来は住宅手当を給与に含めるべきだったのに誤って除外するなどしていたため、残業代の一部が支払われなかったという。対象は大学職員のほか、付属中高校などの教職員や退職者らも含まれる。
東洋大は取材に対し、労基署から是正勧告を受けたことを認め、「適法だと事実誤認していた」と説明した。その上で、未払い分の残業代については、「法的な時効や給与台帳の法的な保存期間等を総合的に勘案した」として、2020~25年度分を6月にも対象の教職員に支払う方針を示した。同大は「事態を重く受け止め、適正な労務管理の徹底に努める」としている。
東洋大は今回の問題を文部科学省に報告し、3月には学内向けの説明会を開催した。大学関係者によると、説明会では、残業代の算出時に月額給与から住宅手当を除外する運用が20年以上続き、年間の未払い額は1800万円程度とみられると大学側から報告されたという。
労基法では、残業代は1時間あたりの賃金を基準額として算定するよう定めている。賃貸住宅に住む従業員の家賃の一定割合分を支給する際などには、基準額から住宅手当分を控除できる。一方で、従業員に一律で定額を支払う場合などには、労働の対価とみなされて除外できない。