20日に三陸沖で発生した最大震度5強の地震を受け、気象庁が発表した「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について、対象地域の住民の多くが、求められる防災対応を取っていないとみられることが、東京大総合防災情報研究センターのアンケート調査でわかった。昨年12月に初めて注意情報が発表された際の調査から改善しておらず、注意情報を受けた対応が浸透していないことがうかがえる。
注意情報の発表は、昨年12月8日の青森県東方沖を震源とする最大震度6強の地震以来、2度目。
政府は、大規模地震発生の可能性が相対的に高まっているとして、今月27日午後5時までの1週間、北海道から千葉県にかけての7道県182市町村の住民を対象に、日頃の備えに加え、すぐに逃げられる態勢の維持など「特別な備え」を求めた。
調査は21~22日、20~69歳を対象にインターネットで実施し、昨年12月10~11日の前回調査と比較した。対象地域の回答者は前回が646人、今回が668人だった。
注意情報を今回見聞きした人は89・4%。このうち日頃の備えについては、「水や食料などの備蓄を確認した」は26・5%(前回27・7%)、「避難場所や避難経路を確認した」は5・5%(同7・2%)にとどまった。特別な備えを取った人の割合も低く、「すぐに逃げられる態勢を維持した」は15・9%(同14・1%)、「非常持ち出し品を常時携帯した」は8・5%(同9・7%)だった。
一方、今回の発表前から注意情報を知っていた人は、「具体的に知っていた」(23・7%)と「見聞きしたことがあった」(46・3%)を合わせて70%に上り、前回の計35・6%からほぼ倍増した。
対象地域の住民からは、戸惑いの声も聞かれた。千葉県沿岸部の一宮町でサーフショップを営む男性(62)は、注意情報の発表を知っていたが、特段の対応は取らなかったという。「町から具体的な要請もなく、どこまでの対策をすればよいかわからなかった」と話した。
同センター長の関谷直也教授(災害情報)は「注意情報で求められる防災対応は多岐にわたり、何をしていいかわかりにくい。避難場所や方法を確認することが最も重要で、政府や自治体は、優先順位を決め、項目を絞って伝えていく必要がある」と指摘する。
内閣府の岩村公太企画官は27日の記者会見で、「どうすれば住民に(メッセージが)届くのかは引き続き検討したい」と述べた。