巨大地震の発生が危惧されている日本列島で、前触れともとれる不気味な揺れが頻発している。日本の地中でいま何が起きているのか──。
今年に入ってから、大きな地震が日本各地で頻発
ゴールデンウイーク真っただ中の5月2日に奈良県で発生したマグニチュード(以下、M)5.7の地震は、同県と和歌山県、三重県で最大震度4を記録した。幸いにも目立った被害やけが人は確認されなかったが、この揺れを大地震の”予兆”と指摘する声もある。実は今年に入り大きな地震が日本各地で頻発している。
気象庁によれば、屋内外問わずほとんどの人が揺れに驚くとされる「震度4」以上の地震が1月から5月6日までに21回発生。これは昨年同期間の約2倍の発生数で、4月は震度5弱以上の地震が5回も起きた。「大きな地震が日本列島の各地で頻発しているのは、危険なシグナルと考えていいでしょう」と話すのは、東京大学名誉教授で海洋地震学の第一人者である笠原順三氏だ。
なかでも笠原氏が危惧しているのは、三陸沖から北海道を震源とする地震だという。4月20日、三陸沖を震源とするM7.7、最大震度5強の地震が発生。ちょうど1週間後の27日には、北海道十勝地方南部を震源とするM6.2、最大震度5強の地震が起きた。
「この2つの地震は太平洋プレートの動きによって発生したものと考えられ、短期間での連続した大きな揺れはプレートの動きが活発化していることを示しています。三陸沖から北海道までのこの海域では、大きな揺れから1年以内に、さらに大きな地震が起きた記録が残っています。
つまり、1年以内にこの海域でM8クラスの地震が起きても不思議ではない。そうなれば高さ約10mの津波が襲来することが想定されるので、三陸沖や十勝沖、釧路沖、根室沖あたりの沿岸部は警戒を強める必要があります」(笠原氏)
千葉県や茨城県を震源とする震度4以上の地震も発生しており、首都圏を襲う大地震も懸念される。東海大学と静岡県立大学で客員教授を務め、日本地震予知学会の会長でもある長尾年恭氏は、この関東地方での地震について「不気味なサイクル」の存在を明かす。
「千葉県の房総半島沖では1912年、1950年、1987年にM6以上の大きな地震が発生しており、37~38年の間隔で繰り返されています。前回の地震から39年が経過しているいま、危険が高まっている可能性があります」
しかも地震の規模はM6.2、M6.3、M6.7と、サイクルを重ねるごとに大きくなっているため、次はM7クラスになるとの見方もある。