被告「米兵に憧れ現実を軽視」 米軍基地侵入事件初公判

米海軍横須賀基地に許可なく立ち入ったなどとして、日米地位協定に伴う刑事特別法違反罪などに問われた元住友商事社員、水野圭隆被告(46)の初公判が13日、横浜地裁(高橋康明裁判官)であった。水野被告は「間違いございません」と起訴内容を認め、検察側は拘禁刑10月を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。
起訴状などによると、水野被告は2025年10月22日と同11月6日、正当な理由がないのに軍関係者を装って同基地に侵入したなどとされる。
検察側は、水野被告が21年ごろにインターネットで偽造のIDカードを購入して以降、複数の米軍施設に約30回以上侵入したと指摘。飲食店や宿泊施設を利用し、妻の偽造IDカードも購入してペットと共に基地内の施設を使ったこともあったとした。常習性があり、日米安保の施策に影響を与え「結果は重大だ」と主張した。
弁護側は、水野被告は小学生の時にホームステイで米軍人の家庭と交流し、米軍に親しみや憧れを抱いたとした。水野被告は被告人質問で、米国の大学にいた際に陸軍への所属を目指したが諦めた経緯などに触れ、「ずっと夢を追い続けていたので、大きな挫折を感じた」と説明した。
さらに会社員になった後に再び軍人への憧れが生じ「現実を軽視してしまった」と基地侵入の理由を述べ、「人生をやり直したい。申し訳ございませんでした」と謝罪した。判決は6月18日に言い渡される。【矢野大輝】