4月25日に那覇市内で行なわれた玉城デニー・沖縄県知事の出馬表明会見は、知事の現状を象徴する光景でもあった。
2期8年の実績を強調する玉城氏の横に並んだのは妻と後援会長、支援団体会長の3人だけ。支持者がずらりと並んだ過去2回の出馬会見とは様変わりしていた。
沖縄県名護市辺野古沖で修学旅行中の女子高生ら2人が亡くなった転覆事故の犠牲者に捧げる黙祷で始めるなど批判を意識したようだが、現地で取材をすると「知事失格」の声が聞こえる。今は玉城氏と距離を置く元後援会幹部が呆れて言う。
「デニーは事故後すぐ現場に行くべきでした。平和学習の意義は認めたうえで、『安全性ややり方を再度チェックする』と厳しく言うぐらいできたはず。”板挟み”で初動がおろそかになった」
“板挟み”とは、転覆した2隻を運航していたのがオール沖縄に連携するヘリ基地反対協議会、すなわち「身内」だったことへの配慮ではないかと疑われている。
身内への甘さで判断を鈍らせたなら資質が問われる大問題だが、重大性を自覚しているのかすら疑問視する見方もある。
典型例は最近、玉城氏が投稿後に自ら削除したSNSのポスト。投稿は4月29日、〈伊江島に訪問した際、久しぶりに野菜そばを食べました〉と添えた写真に写り込んだ箸袋に、ゴルフ場併設のレストランの名前が記されていた。知事日程に照らすと伊江島に行ったのは4月21日。事故発生から1か月過ぎてようやくの訪問となった現場で花を手向けたその日だ。
事故翌日に被害者の冥福を祈ると短くコメントする程度だった玉城氏が、やっと哀悼を捧げたその掌でゴルフクラブを握ってなどいないと筆者は信じたいが、玉城氏には庶民とかけ離れた感覚を指摘された過去がある。
「今に始まったことではないわけよ」と語るのは別の元支持者だ。
「1期目の19年は知事肝いりの平和会議の運営支援を請け負う業者と県が契約を締結する前日、なんとデニー知事自ら業者と楽しく会食していた」
この時もSNSに写真が出回り、議会で「癒着だ」と批判を浴びた。
「コロナ禍の2021年には県民に会食自粛を求めたくせに自ら家族以外も交えてバーベキュー。これまたSNSに上げて、謝罪に追われた」(同前)
そんな玉城氏の過去2度の勝利の原動力は、2018年に急死した翁長雄志前知事から保革を超えた支持母体・オール沖縄の支援を引き継いだことにある。ただ、その政界地図も変貌を遂げつつある。
「基地反対」の一本足打法で次の施策がない