LGBT理解増進基本計画を閣議決定 「差別あってはならない」

2023年に施行された「LGBT理解増進法」に基づく初の基本計画が16日、閣議決定された。国や自治体が性の多様性に関するリーフレットや研修動画を作成して啓発を進めるほか、相談体制を整備することなどを盛り込んだ。
同法は「性的指向及びジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別はあってはならない」と明記。国民の理解増進に向け、国に基本計画の策定を義務付けている。議員立法で成立したが、推進派と理解増進法に否定的な保守派の対立を背景に3年近くまとまらない状況が続いていた。そのため、自治体や企業によって取り組みにばらつきが生じたとの指摘も出ていた。
基本計画では、国や自治体が国民意識の把握に向けた学術研究を進めるほか、必要な知識の普及啓発や相談体制の整備を推進する。
企業などには、性的マイノリティーであることなどを理由に就職機会が制限されたり、ハラスメントを受けたりすることを防ぐための取り組みを求めた。
学校では、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用した相談体制の充実を図るとした。このほか、教員や医療従事者を目指す学生らの理解促進に向け、大学にカリキュラム改定などを求めた。
計画の原案は今月1日に自民党の部会で示され、大筋で了承されたが、その後に保守派の議員らから異論が出て、文言の一部が修正された。
具体的には、原案は性の多様性を巡る現状として「国民の理解が十分に進んでいない」としたが、「認識は広がりつつある」に変更された。また、「正確な知識」の普及を掲げた部分も「必要な知識」となった。学術研究については、把握すべき知見として「国内外の状況」が追加された。【中村好見、安部志帆子】