【ナゼ】「不信感しかない」“食育”を掲げるスポーツ強豪校で“食堂廃止”…跡地にコンビニ設置も一部保護者は憤り

高知市にあるスポーツの強豪高校が、『食堂』を巡って揺れています。200円で昼食が食べ放題だった食堂が経営難により突然、廃止。跡地にコンビニがオープンしました。この状況に一部の保護者から学校の方針を疑問視する声が上がっています。一体なぜなのでしょうか。
高知市の高知中央高校は、スポーツに関わる人材を育成するコースや、国家試験突破を目指す看護学科、自衛隊や警察官の採用試験で成果を挙げる公務員コースなど、ユニークな教育方針が特徴の学校です。
さらに、もう1つの特徴が寮生の多さです。全校生徒699人のうち親元を離れて寮で生活している生徒は237人で、全体の3割を超えています。
そんな寮生たちの健康を支え続けてきたのが、学校の食堂でした。
高知中央高校が20年以上にわたって掲げてきたテーマは、“食育の推進”。最大の売りは、『お昼ごはんの食べ放題』です。値段は、なんと200円!
全国各地から集まる生徒たちのために用意された学生寮は、冷暖房などの電気代はもちろん、水道代も込み。その上、栄養バランスに優れた朝・昼・晩の3食が食堂で提供され、寮費は月5万3000円!
Q.学食はすごくよくやってくれていたんですね?
(保護者)
「そうですね。それが魅力で入ったのもあるので。3食ちゃんとしてくれるんだなという安心感はすごくありました」
しかし、2026年、生徒にとっても保護者にとっても、これまでの生活を一変させる決定が発表されました。4月24日、学校から保護者に届いた『学食の廃止およびコンビニエンスストア設置について』のお知らせです。
(保護者に届いたお知らせ)
「学食の運営を委託しております業者より、近年の物価高騰や人件費の上昇等の影響を受け、継続が困難であるとの申し出があり、やむを得ず学食を廃止する判断に至りました」
食堂廃止は、どのような経緯を経て決定されたのでしょうか。
まず、2025年10月頃、食堂の運営会社から学校に「物価高騰、人手不足のため、継続が困難である」と申し出があり、2026年2~3月頃には、食堂の継続が困難であることが確定しました。そして、4月8日に、食堂に代わる施設として、大手コンビニチェーン・セブン-イレブンとの契約が決定。
学校側は、それから約2週間後の4月24日に臨時集会を開き、生徒に食堂廃止の説明を行いました。
保護者に対しては、半月後の5月9日に説明会が開かれ、食堂の廃止と、コンビニの開設が伝えられました。そして、翌月6月1日にセブン‐イレブンが食堂の跡地にオープンしたということです。
保護者への連絡からコンビニのオープンまでの期間は、2か月もなく保護者は憤りを訴えています。
(保護者)
「連絡が来て、数週間で『もう潰れます』となって、『コンビニしかない』という選択肢しかなかったので、それに対しては疑問しかないです。スポーツの推薦とかで、来られている方は(食堂が)いろんな所から選ぶ魅力の一つだったと思うので、不信感しかないなって思いました」
学校側は、「できるだけ早くお伝えすべきと判断し、臨時集会で生徒に説明を行いました。結果として保護者の皆様への事前説明や配慮が十分でなかった点については、学校として反省しております」と語っています。
一方、食堂からコンビニに替えるメリットについては、「弁当や軽食、飲料などを幅広く選択できる環境が整うとともに、生徒一人ひとりの生活スタイルに応じた利用が可能になるものと考えております」と説明しています。
学校は、今後は、寮費5万3000円は据え置き、その中から食費代としてこれまで計上してきた月額3万円分を、学内のコンビニでのみ使えるポイントとして、毎月、生徒に還元。1か月間の食費を賄うといいます。食べ盛りの高校生にとって、それは可能なのでしょうか。
(保護者)
「部活によると思いますけど、親が作りに来てくれたり、土曜日・日曜日などは、保護者の方が手伝いに来て、差し入れとかを持ってきてくれたりして、プラスアルファで食べられているとは言っていました。スポーツに力を入れている高校だと思うので、体作り・食トレを頑張っていたのに、裏切られた感じだなと思います」
高校の理事長は、現場ではすでに部活の先生による食事指導が始まりつつあると自信をのぞかせます。
(高知中央高校・近森正久 理事長)
「先生が指導している部活もたくさんあります。『今日は魚のみそ漬けを買いなさい』『今日はこういう野菜のセットで買いなさい』『ご飯は付けてあげます』という部活もあります。生徒が勝手に好きなものを食べるわけではない。“食育”を先生と一緒にやっていきます」
また、校長はコンビニとの連携によって、“食育”を進めていく旨の話をしています。
Q.一部で栄養面への心配がありますが、何か生徒さんに指導していくとかはありますか?
(高知中央高校・堤知之 校長)
「寮生の食事提供がコンビニを活用したものになるので、クラブ顧問等を通じて、食事のバランスなどをセブン‐イレブンと連携して考えていきたいと思っております」
今回のような私立高校の食堂廃止について、教育アドバイザー・清水章弘氏は、「スポーツ強豪校は全国から優秀な生徒を特待生として集め、学費などを免除するが、一般の学生が多く集まっていることが前提です。『高知中央高校』は2017年度には約1200人いた生徒数が、2026年度は699人まで減少しているので、学校経営として厳しい状態だと思われます。少子化が進み、今後、特に地方の私立学校で同様の問題が増える」と指摘しています。
(読売テレビ「情報ライブミヤネ屋」2026年6月5日放送)