特殊詐欺の被害は今年、“過去最悪”を上回るペースで増加していて、警察庁によると2026年1月~4月の被害額は約1260億円にのぼります。そんな中、3月に富山県在住のAさんは1800万円もの大金を失いました。きっかけは「神谷交流会」という名前のLINEグループに勝手に追加されたことでした。
『利益は無事に確定しました』
『取り引きの前に入金手続きを必ず完了させてほしいです。約束の時間がもうすぐです』
Aさんが追加された「神谷交流会」というLINEグループ内では、“先生”と呼ばれる神谷と名乗る人物と、メンバーによる投資に関する会話が交わされていました。
(Aさん)
「最初はやっぱり疑っていたので、ただ見ているような感じでした。少し連絡が来た人に『これ詐欺ですか?』みたいなことを聞いたんです。今思えば、それも詐欺の仲間だったんでしょうけれども」
当初、Aさんは警戒していたものの、投資以外にもグルメや旅行に関する投稿のやり取りがあり、読んでいるうちに警戒心が薄れていったといいます。
Aさんが投資話を信じてしまった背景にあるのは、メンバーの1人が演じていたとみられる“相談役”の存在でした。
(相談役)
『本当におっしゃることに共感いたします。こうして経験を受け止め、感じたことを大切にできる方は、本当に魅力的だと思います』
“相談役”は個別のトークでAさんの不安や悩みに寄り添います。そして信頼関係を築いた頃合いを見てAさんに提示してきたのは、投資による利益画面でした。
(Aさん)
「仕事もちょっと嫌になっていたのと、将来的な不安もあって、ここで収益が出るのなら先々のことも考えやすいかなと思って…」
次第に投資話に興味を持ち始めたAさん。投資用アプリへの登録を促され、その画面にあった「金融庁」をかたる文字が、さらに背中を押すことになりました。
(カスタマーサポートセンター・田中)
『送金理由として、投資のためとは言わないようにしてください』
また、カスタマーサポートセンターの「田中」と名乗る人物からは、機密情報のため銀行で送金する際は投資ではなく「リフォーム費用」と伝えるよう指示があったといいます。
Aさんは5月上旬から4回にわたって合計1800万円近くの現金を指定された口座に振り込みました。入金後はしばらくの間、利益として数万円から数十万円の入金が繰り返され、出金も可能だったといいます。ところが…。
(Aさん)
「アシスタントや、カスタマーサポートと連絡が取れなくなって…」
年収の4倍以上、15年かけて蓄えた貯金を含む1800万円…。将来を見据えた大金は闇に消えました。
話はこれで終わりではありませんでした。突如、連絡が途絶えてしまい不安になったAさんのもとに、同様の被害に遭った人から「一緒に情報交換のグループに入りましょう」と誘いがありました。
Aさんはこのグループに参加しましたが、話をしている中で「警察に行った」と話した途端、メンバーのうち2人がグループを退会しました。被害者のグループの中に、詐欺側の人間が被害者を装って紛れ込み、情報を聞き出したり、警察に行っていないか、どのような行動を取っているかを監視したりしていたとみられています。
(元埼玉県警 警部補・佐々木成三氏)
「この投資詐欺の90%以上が、まずLINEに誘導します。LINEアカウントを伝えることで、こういったグループに簡単に入れられてしまうんです。この手口はかなり巧妙化しており、被害者も増えています。このグループの中で『私も投資して成功しました』といったサクラのような投稿を多く見てしまうと、それもまた騙される要因の一つになっていると思います」
(読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」2026年6月4日放送)