特捜検事が「黙秘を人のせいにするな」と怒声、取り調べ映像を法廷で再生へ…東京地裁決定

東京地検特捜部検事の違法な取り調べで精神的苦痛を受けたとして、会社社長が国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が2日、東京地裁であり、大須賀寛之裁判長は取り調べを録音・録画した映像を法廷で再生することを決めた。
8月10日の次回期日で取り調べの映像が法廷で再生される見通し。地裁は内容を踏まえて違法性を判断するとみられる。
この訴訟は、特捜部が2021年5~7月に詐欺容疑などで逮捕、起訴した「テクノシステム」(東京)社長の生田尚之被告(52)(1審で懲役11年の実刑判決、控訴中)が起こした。
逮捕後の取り調べで、特捜部に所属していた堀木博司検事(57)(現・大阪高検)から「黙秘を人のせいにするな」とどなられたなどとして、人格権や憲法が保障する黙秘権を侵害されたと訴えている。
特捜部が逮捕した容疑者の取り調べは全過程が録音・録画されており、映像は刑事裁判の証拠として生田被告側に開示された。ただ、刑事訴訟法は証拠の「目的外使用」を禁じ、民事裁判では使用できないとされるため、生田被告側は今回の訴訟で国に映像を提出するよう申し立てた。地裁が映像を調べる必要があるとの考えを示したことで、国が今年3月に提出した。
取り調べを巡っては、最高検が22年、侮辱的な発言や威圧的な言動などがあったとして「不適正」と認定した。先月には、取り調べが陵虐行為にあたるとして、東京地裁が堀木検事を特別公務員暴行陵虐罪に問う刑事裁判を開く付審判決定を出している。