茨城県古河市の介護老人保健施設で入所者に点滴器具から空気を注入して殺害したとして殺人罪などに問われた元職員、赤間恵美被告(40)に対する7日の裁判員裁判判決は、検察側の有罪の主張が一部退けられる内容となった。物的証拠が乏しい裁判を担当した裁判員からは審理の難しさを指摘する声が上がった。
懲役20年判決に動揺なく
水戸地裁ではこの日、16席の一般傍聴席に対し11倍超の186人が傍聴を希望し、裁判への注目の高さをうかがわせた。
殺人罪に関し全面否認してきた赤間被告は、黒いスーツ姿に白いマスクを付けて入廷した。判決文が読まれる直前まで、何かを考えていたのか、じっと動かずに一点を見つめたままだった。懲役20年の判決を言い渡されても、動揺はうかがえなかった。
山崎威裁判長は、死亡した吉田節次さん=当時(76)=については赤間被告が殺害したと認定する一方、鈴木喜作さん=当時(84)=に対する殺人罪に関しては無罪とした。赤間被告が起訴内容を認めた窃盗罪については有罪とした。
「モヤモヤした感じ」
裁判は約7カ月に及び、計132人の証人が出廷した。一方、赤間被告は「黙秘します」と口を閉ざす場面が多かった。
判決後に記者会見した裁判員の40代女性会社員は「動機を知るためには話してほしかったが、権利なので仕方がないというモヤモヤした感じはあった」。50代女性も「裁判に差し支えのない何かは話してほしかった」と語った。40代の男性会社員は「事件を起こすような人には見えず、動機を考える上ですごく悩んだ」と明かした。
物的証拠が乏しいため、証人の説明に依拠せざるをえないという事情もあった。
別の40代女性会社員は「誰がどんなことを言ったか覚えきれず難しかった」と語り、女性の補充裁判員は「記憶が薄れていたり、前と言ってることが違っていたりして、難しかった」と振り返った。(飯田耕司)