被害者の死亡を飲食店で食事中に知る「ばれないんじゃないかと思った」【江別集団暴行死】当時17歳の少年の被告人質問 札幌地裁

2024年、北海道江別市で当時20歳の大学生、長谷知哉さんが集団暴行を受け死亡した強盗致死事件の裁判員裁判で23日、当時17歳のアルバイトの少年が被告人質問で犯行前後の心境などについて述べました。
強盗致死などの罪に問われている当時18歳の主犯格とされる男と当時17歳のアルバイトだった少年の審理は分離され、23日午後は、当時17歳の少年に対する被告人質問が行われました。
質問は、弁護側から行われました。
(あなたと川村は交際していましたが、川村の言動で困ったことはありましたか) はい
(具体的なエピソードは) まず、けっこう束縛されていたんですけど、連絡先が、いとこすら消されて、コンビニのバイトの時も女性の先輩と組んでいても「うちの彼氏に話しかけんじゃねえ」など、大学抜け出して言いに来たり、見に来たり、仕事の話をしているだけなのに「楽しそうにしてるね」とか言われたり。
(別れようとしたことは?) 何度もあります
(なぜ別れなかった?) 別れたら自分の居場所がなくなる、バイト先にも広まったり、悪口を言われたりするかもしれないと思いました。
(川村に必要とされていると思ってた?) 思っていました。
(必要とされているように見えた?) 自分じゃなくてもいいのかなと思っていました。
(あなたは川村を必要としていた?) 彼氏という意味では必要としていたのかな。
(川村以外に必要としてくれてた人は?) 主犯格とされる男は遊びに誘ってくれたので、必要とされてたのかな。
(必要とされるのは大事なこと?) 当時はそうだったと思います
(主犯格とされる男の機嫌は損ねてはならないと思っていたと前回話していましたが、なぜ機嫌を気にしないといけない?) 怒ったら何されるかわからないからです
(犯罪行為を行なうことに抵抗は) 抵抗は、一応あります
(一応とは?) 部分的に、やはりその、ためらいという部分では。
(ためらいはあったということ?) ほんの少しですけど
(ほんの少しなの?) おかしいと思います
(暴行も複数回、それも主犯格とされる男が怖いからですか?) それだけじゃないです
(だけじゃない?) 自分にも問題があったと
(問題とは) 暴力への抵抗がなかったことです。自分の意思を言うこと、それをつき通すことができない、常識を意識でできていなかったことです。
(そうすると、周りのせいになる?周りに危害を与える人がいるから?) 答えず
(どうして周りの様子に影響されるのか、何が問題なのか) 自分が・・・
(今までたくさん話してきたよね、何が問題?) 暴力をふるったことです
(それは行動の問題ね。行動の問題はたくさんあるけど、自分の根本的な問題は何なの?) 人に流されることです
(共犯者はどう思ってる?) 一緒に危害を加えたと思っています
結局あなたは暴力を振るう側にたちました。それはどういうことだった?それをすることで共犯者からどう思われる?) 一緒にやっていると…
(批判される?) されないと…
(されないとしたらどうみられる?) 暴力をふるっていると…
(よしとされる?悪いとされる?) よしとされます
(なぜよしとされる?) そのとき…
(良く思われたい気持ちは?) ありました
(そこが問題なんだよな) そうだと…
(どうしてそういう自分になった?) 人になめられたりしたくないから・・
(やっぱりあなた自身の問題ですね) はい
(事件から1年9ヶ月、どう向き合ってきましたか?) 自分の暴行と、どうして手を出したのか、どうして事件になったのか考えてきました。
(質問で人に流されやすく、共犯者によく思われたかったと話してましたが、自己保身で暴行しましたか?) はい
(遺族への謝罪の中で代わりにやられているのが自分なら死を選ぶような地獄の時間だったと述べているが、生き地獄のような暴行は自分の保身だったという理由になりますか?) ならないです
(まだ足りないと思う という言葉がありましたが、今後どのように反省して罪と向き合っていくつもりですか?) 聞かれたことに答えられなかったり、まだまだと思って考えを深めたりする必要があると思うからです。
(犯行後、出頭経緯ですが、いけないことと思いつつも決心できず川村さんからの誘いがきっかけで出頭してますか?) はい
(逮捕後、犯行は認めてますか?) Aはい
(1番辛く、苦しい思いをしているのは被害者と遺族ですが、家族に与えた影響を考えたことはありますか?) あります
(どういうことを考えましたか?) 自分の家族からしたら、自分がしていないのに、周りから犯罪を犯したように言われたり、批判されたりすると思います。
(あなた自身だけの問題ではないとわかりますか?) はい
(償っても償いきれない罪で、ご家族はあなたがこれにどう関わっていくことを望んでいると思いますか?) この事件に向き合い続け、考えて生きてほしいと思っていると思います。
弁護側に続き、検察側からも質問が行われました。
(10月26日午後8時過ぎ、LINEで「亜麻(八木原亜麻被告・21)のせいにするかも。もっとやれっていってたし」と送っています。先日の質問で八木原の「もっとやれ」という発言は暴行には関係ないと言っていたけど、当時のあなたの気持ちは?) 当時は、ばれなければいいと思っていました
(「もっとやれ」みたいな八木原のそういう発言はありましたか) 記憶ではあったと思います。
(バレなきゃいいという気持ちが強かった?) 当時はそうだと思います。
(「(八木原が)やりたい放題で最悪」というLINEのメッセージ、これはどういう意味?) (長谷さんは八木原が)自分が連れてきた人なのに悪くないとか言ってる。自分たちに「もっとやって」という発言が1回でもあった。止める気もなかったのに自分だけ悪くないと、助かろうという気があるのが許せなかったんだと思います。
(「止めなかったのも亜麻」そういう止めるような発言は八木原からなかった?) なかった
(「亜麻が一番凶悪」このメッセージはどういう気持ち?) 当時はそう思っていたんだと思います。
(今は?) 自分が悪くないというのは今も違うと思うけど、当時、警察に言った人に対してそういう風に言うのは違うと。
(この事件、いったい何が一番悪かった?) 自分的には自分が一番悪かったと。
(なぜ) 自分が言わなければ、ここまで暴行が大きくなることはなかったかもしれない。
(発言として?) 「カードないんか」という自分の発言がなければ、カードをとろうという話がでなかったとも言えなくない。
(あなたの発言でよくなかったもの、他にはある?) 当時被害者をおちょくるというか、そういう発言もあったと思う。
(7000円、主犯格とされる男の手からもらってますよね) はい
(その使い道を聞きたいんだけど、どう使ったの?) 2000円ほど、事件後のラーメン店で、次の日の外食に行った時にハンバーグの店で5000円、お釣りはゲームセンターで100円ぐらいUFOキャッチャーで使いました。
(2000円について、いつもあなたがラーメン店で使うよりも多いですか?少ないですか?) 多いです
(なぜですか?) 被害者から取ったお金で贅沢しようと考えたと思います。
(ハンバーグ店の時間はいつ?) 昼の2時頃です
(被害者が亡くなっているといつ頃知った?) その外食中です。
(5000円となると川村の分支払ったのですか?) はい
(どんな気持ちでしたか?) 人を殺してしまったんだと考えたが、事件についてニュースや記事で何も出ていなく、ばれないんじゃないかと思った。
(予想外の感覚はなかったですか?) 疑われると思っていたし、もしかしたら死んでしまうと思っていたし、予想外というより、本当になってしまったという気持ち。
(解剖医の方がすぐに救急車呼んでいたら後遺症は残っても命は助かったとあったが、あなたはどう思いました?) 周りなんか気にしないで救急車を呼んでいたら良かったと思います。
(主犯格とされる男が9万円手にした時、その9万円で何か買ってもらった?) ないです
(出頭の時、川村からメッセージを非表示にして、写真も消してとあったと思うが何かスマホ内で写真やメッセージを削除しました?) 川村に関係あるなし関わらず、写真が非表示のやつは消した、川村に言われたとおり、バイトのグループや個人の店長とのやりとり以外消しました。
(出頭のとき、今からどうなると思ってましたか?) どうなるかわからなかったけど、捕まるんだろなと思っていました。
(当時は、主犯格の男が中心とも聞こえるこのグループが、あなたにとって中心だったのか?) 家族が北海道外に引っ越したこともあって、自分の居場所になっていた。その世界が正しいかわからないが、優先していた世界だったかもしれません。
(どんな刑を受けると思いますか?) ここまで暴力を広げたのは自分なので、自分は無期懲役でも何もおかしくないと思います。
起訴状によりますと、主犯格とされる当時18歳のアルバイトだった男は、当時17歳の少年ら男女5人と共謀し、2024年10月25日から26日にかけて、長谷知哉さん(当時20)の顔や腹部を多数殴る蹴るなど暴行。
さらに「全部出せ、全額」「クレジットカードもな」などと脅迫して暴行を加え、現金やカードなどを奪い、長谷さんを外傷性ショックで死亡させたうえ、奪ったクレジットカードでたばこなどをだまし取ったほか、キャッシュカードで現金12万7000円を引き出したなどとして、強盗致死や詐欺、窃盗などの罪に問われています。
判決は8月7日に言い渡される予定です。
おことわり HBCでは、特定少年の被告を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。今回の事件は、1人の大学生の命が失われた結果の重大性、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、地上波テレビ放送では実名で報じることにしました。なお、デジタル配信の記事は、半永久的に残るインターネットの特性を考慮して匿名で報じています。