最大震度7を観測した熊本地震の被災地では、停電や断水が続き、猛暑の中、ガソリンや飲料水などを求めて店舗に開店前から長蛇の列ができている。店側は被災しながらも、入荷元や九州の他店舗に補充を依頼するなどして対応しているが、一部では追いつかない状況となっている。(横峯昂、石原拓海)
熊本県八代市のガソリンスタンド「ENEOSセルフ八代北SS」では31日、開店時間の午前7時になってもガソリンがないため店を開けられず、同10時頃には約40台の車が道路に並んでいた。店員が1台ずつ事情を説明し、うちわや飲み物を配っていた。
浦部祐一店長は「昨日も開店前から行列ができていた。昼頃に1万4000リットルが届き、午後10時に尽きた」と話す。31日は正午頃に8000リットルが届く予定で、入荷し次第、開店する。ただ、「朝から夜まで営業するには2万8000リットルは必要。入荷元に追加をお願いしているが、難しい状況だ」と苦渋の表情を見せる。
自宅近くの避難所に身を寄せているという市内の会社員(51)も車列に並んでいた。「八代は車社会なのでガソリンが必須。今後また大きな揺れが来る不安もあるので、なんとしても入れておきたい」と語った。
熊本市東区のホームセンター「ハンズマン画図(えず)店」でも31日、開店前から約20人が列を作った。午前7時に店が開くと、買い物客らが出入り口付近に積まれた飲料水やタンクを次々に手に取ってレジに並び、従業員は補充に追われていた。
自宅が断水しているという同市南区の看護師(36)は約20リットルのタンクを四つ購入した。市内の友人宅で水を入れる予定といい、「当たり前に使えていた水道が止まると、ここまで不便になるとは思わなかった。一日も早く普段の暮らしに戻りたい」とため息を漏らした。
重盛芳紀店長(38)によると、地震発生当日は営業を中止したが、翌29日から、客を店外に待機させ、従業員がヘルメットを着用して店内に入り、客の求める品を取る方法で営業を再開した。現在、売り場を順次開放しているが、一部の売り場ではまだ復旧作業が続いている。
同店では29日以降、携帯用のウォータータンクや飲料水のペットボトル(500ミリ)24本セットはいずれも1000個以上を販売した。現在は販売数を制限している。ブルーシートや土のう袋のほか、首元を冷やす冷却剤やウェットティッシュといった暑さを和らげる冷感グッズも多く買い求められているという。在庫が不足した際は、九州の他店舗から調達するなどして対応している。
重盛店長は「住民に必要な物を提供するのが我々の使命。他店舗からの人的な応援ももらいながら、対応していきたい」と力を込めた。